世界基督教統一神霊協会(統一教会)信者による「霊感商法」事件で、特定商取引法違反(威迫)に問われた印鑑販売会社「新世」(東京都渋谷区)社長田中尚樹(52)、同社幹部古沢潤一郎(40)両被告と同社の判決が10日、東京地裁であった。 秋葉康弘裁判長は「客の不安をあおって高額な印鑑の購入を即断するよう迫るなど、巧妙で悪質だ」と述べ、田中被告に懲役2年、執行猶予4年、罰金300万円、古沢被告に懲役1年6月、執行猶予4年、罰金200万円、同社に罰金800万円を言い渡した。 判決は「印鑑を購入した客を統一教会に入信させるためのフォーラムに誘うなど、信者を増やすことも目的にしていた」と認定した。 判決によると、田中被告らは2007〜09年、同社の販売員5人と共謀し、街頭で声を掛けた5人に「運気が良くない」などと不安をあおって印鑑の購入を迫り、計376万円の支払いを受けた。