埼玉スタジアムの記者席で目を通したアルゼンチン戦の公式パンフレットに、日本代表新監督アルベルト・ザッケローニのインタビューが掲載されていた。就任会見でも強調していた「攻守のバランス」についての言及が、実に興味深かった。 「守るというよりは、ボールを奪い返すというコンセプトです。攻撃をしているときには、ボールを保持している選手の近くに味方がサポートして、ボールを失ったときにはすぐに奪い返せるような態勢、姿勢が大切なのです」 ザッケローニのこのポリシーは、ほぼベストメンバーで来日した世界ランク5位のアルゼンチン代表を相手にした初陣で、垣間見ることができた。最終ラインを高めに設定して全体をコンパクトにし、高い位置でボールを奪ってショートカウンターにつなげる。攻撃でミスをしても、選手たちのサポートによってボールを奪い返すシーンが多かった。 まさに「攻守のバランス」の勝利だった。 本田、香川、岡崎の