長い間当歳馬が取引の主役をつとめていた、日本の競走馬のセリ市場。貴重な超良血馬を手に入れるためには、スピードを第一として、ためらいなく大金を投じるという姿勢が必要不可欠とされていた。そのような風潮の中においては、1歳馬のセリというとそれ自体が売れ残りセールのように見られてしまう傾向があり、値段も当歳馬より1歳馬が安価なのが当たり前だった。 しかしこれが世界のスタンダードかといえばそうではなく、欧米の競走馬の取引は1歳馬が圧倒的な主流。早く手に入れるということはそれだけ買い手の側にリスクが生じるため、彼らの常識では当歳馬が1歳馬より高値で流通する日本のセリのシステムは理解されにくかった。 こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。 NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り: 621文字 NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく Nu