生活保護費のうち、食費などの生活費をまかなう「生活扶助費」が今年から大幅に引き下げられることになりました。この決定についてはさまざまな議論があるでしょうが、いちど整理してみましょう。 まず、福祉社会の最大の敵はモラルハザードであり、生活保護制度を守るためにはフリーライダー(ただ乗り)を排除しなければなりません。働いてこつこつ年金保険料を払ってきたひとよりも、一銭も払わずに生活保護で暮らす方が得であれば、バカバカしくて誰も年金制度に加入しようとは思わないでしょう。 もちろん、年金保険料を払えなかったやむをえない事情があるひともいるでしょう。しかしその一方で、ネットには「ナマポ(生活保護)で暮らせばいいんだから年金保険料なんて払わない」という書き込みがいくらでも見つかります。世界でもっとも高度な福祉社会である北欧諸国は、「国家の保護に頼ってはいけない」と道徳の授業で子どもたちに教えているといい