米Google(グーグル)といえば、生成AI(人工知能)やクラウドサービスで派手な技術を打ち出す印象が強い。ただサイバーセキュリティー分野では、派手さはないが実用的な技術やサービスをしばしば発表していて、筆者はひそかに楽しみにしている。以前にも「グーグルがオープンソースソフトウエア(OSS)にお墨付きを与える」という渋いサービスを取り上げたことがある。 そんなグーグルが2024年4月2日(米国時間)、また渋いセキュリティーの新技術を発表した。同社が「デバイス・バウンド・セッション・クレデンシャルズ(DBSC)」と呼ぶ技術である。まだあまり注目されていないが、「クッキー泥棒」ともいうべきサイバー攻撃への対策の決め手になる技術かもしれない。そう感じ、サイバーセキュリティーの専門家に取材することにした。 「ログインできるクッキー」が狙われている クッキー泥棒とは、ユーザーのWebブラウザーに保存