「少年」を図書室で読んだ当時高校生のわたしは(これじゃなくて、全集だったような気がする)、「出色の出来栄え!!」と感銘を受けたものであるが(えらそうなのは、何卒お許し願いたい。若さとは、そういうものではあるまいか)、ン十年ぶりに読み返し、「なんですかこれ、凄すぎる! これで二作目なの? どんだけ凄いの!?」と素直にひれ伏して頭をたれるのみ。わたし、オトナになったわv 当時から初期作品というと「刺青」をあげるひとが多くて、わたしはひとり、「少年」のほうが絶対にイイって思ってたのですねえ。いやはや。でも、だって、そう思いませんか? 今回ほんとにビックリしたのは、技巧の凄まじさ。 むろん、内容のアヤシサを抜きにしては語れないであろうが、そこに描かれている事柄の魅力(ミリョク、ですよね??)を抜いたとしても(というか、それがための凄さ、なんだけど)、そのパーフェクトな構造、語り口の滑らかさ、緩急の