昔トラッド好きの先輩と珍しく口論になったことがある。いや、口論は珍しくはなかった。先輩の好きなThe Waterboysの「右翼性」を私が批判したり、私の好きなOysterband(当時の名称)の「無政府主義的態度」を先輩が揶揄したりはしていた(トラッドは政治思想と結びつく傾向があるのかもしれない。それとも、イギリス・アイルランドで音楽活動をすることは必然的に政治的意味を持つのかもしれない)。 「フィドルはヴァイオリンと同じか」という命題をめぐってである。先輩は同じだと言い、私は違うと言った。議論は平行線をたどった。今考えれば「同一性」の定義をしておらず、不毛な議論であった。 どちらの楽器も起源や成立時期は不明である。英語フィドル・ドイツ語フィーデル・イタリア語ヴァイオリンは語源が同じではないかという説もある。ヴァイオリンをフィドルと指すときも、ヴァイオリン以外のヴァイオリン属をフィドルと
http://d.hatena.ne.jp/killhiguchi/20071124#p3で取り上げた「クララの弱虫!」用法についての論文を見つけた。http://nihon5ch.net/contents/ch5/daigakuin/gengo-2009-3.pdf妥当な分析だと思うが、何故マイナスイメージの表現にしかならないのかの考察も欲しかった(id:dlitさん、もしお暇があればコメントをお願いします。)。著者の小柳昇は、時々日本語教育関係で参照されるnihon5chの管理者で、拓殖大学の大学院生のようだ(関東日本語談話会にも参加しているようですが、dlitさん、ご存知でしたか?)。http://nihon5ch.net/contents/ch5/index.htmlにあるレポートは優れたものであると思う。三上章の他動詞の所動詞を理論的に位置付けることに成功しているし、自他対応で従
一般論や観念上の事態など、この世で一回的に起こったのではない事態を表す表現においては主題が要求されることがある。以下では、その理由について考察する。 主題を要求する文 スル形で真理や一般論や傾向を表す表現は、以下のように主題を要求する。 カラスは(?が)森にすむ。 アルコールは(?が)水に解ける。 バットは(?を)野球で使う。 ただし、文が埋め込まれた場合や、文脈の支えがある時は無主題でもよい。 [カラスが森にすむ]ことぐらい知っている。 カラスが森にすむ、それは一見当たり前の事のようだが・・・。 カラスが森にすむ?今はそんな御時世じゃないよ。 つまり、スル形では、単独言い切りで一般論を述べようとする場合にのみ、主題が要求されている。 この現象は、(属性)形容詞述語文や名詞述語文が主題を要求することと比べて、「(属性)形容詞述語や名詞述語での属性表現とは、モノの属性の解説であり、スル形によ
何故、シテイル形とシテアル形のパーフェクト用法には主題が要求されるのだろうか。以下では、このことを巡って考察する。 学史的には、シテイル形の用法は、動作継続用法と結果継続用法を中心として、単なる状態用法や反復用法やパーフェクト用法が派生するとされている(工藤1995:38‐40*1)。この中で、パーフェクト用法は、「<後続時点における、それ以前に成立した運動の効力の現存>を表わす(ibid:39)」とされ、結果継続を状態パーフェクトと、パーフェクト用法を動作パーフェクトとそれぞれ捉え直して、両者の連続性が主張されてきた(ibid:116-125)。 しかし、主題との関わりで見ると、このような派生関係では、結果継続用法が主題を特に要求せず無主題が普通であるのに対して、パーフェクト用法が必ず主題を要求することを説明できない。 結果継続用法:花瓶が割れている。?花瓶は割れている。 パーフェクト用
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