◇『塔里木(タリム)秘教考』 (飛鳥新社・2625円) ◇今を生きるウイグルと「核」の物語 物語は、中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区にあるウルムチの博物館から始まる。九世紀のソグド語の写本に、一人のウイグル族の研究員が「アトム・ボンビシ」(atomic Bomb、原子爆弾)という言葉を見つけるのだ。写本には「井戸から火が出た」という言葉も書いてある。詳細を知るために、彼はかつてソグド語を教えてくれた北京大学の教授と接触しようとするが、彼も教授も誘拐され、幽閉される。 これだけでもミステリーとしてスケールが大きく、引き込まれる。しかしこの小説は謎解きが狙いではない。むしろ題名となっている塔里木盆地とウイグル族の物語と言ってもよいだろう。 塔里木盆地は北の天山山脈、南の崑崙(クンルン)山脈が作る約五三万平方キロメートルの盆地である。中央にはタクラマカン砂漠が広がっている。砂漠にはオアシス
「悪の教師」と呼ばれるマキァヴェッリ。しかし、彼は単純な「マキァヴェッリズム」の男ではなかった。聖書の神への信仰を拒絶し、「哲学的ではあるがもはやギリシア的ではない一種の思想」すなわち近代哲学を発見するさまを描く。われわれはみな、マキァヴェッリの子どもたちなのだ。 目次 日本語版への序文 ネイサン・タルコフ 序文 序論 第Ⅰ章 マキァヴェッリの教えの2重の性格 第Ⅱ章 マキァヴェッリの意図:『君主論』 第Ⅲ章 マキァヴェッリの意図:『ディスコルシ』 第Ⅳ章 マキァヴェッリの教え 注 訳者解説 索引
【推奨ブラウザ:IE8以上?】ようこそおいでくださいました(^U^)申し訳ございません、このような古楽厨ブログで(^U^) 前書き. 昨年末ベイスの新監督である中畑を思いっきり悪く言ってしまいましたが、その後私反省いたしました。 暗黒中の暗黒どん底中のどん底状態のチームを何とかして盛り上げるため 必死になってがんばってるその姿が今ではなんか私の心の琴線に触れてしまいまして、 けっこう中畑監督アリだったんじゃないかとまで思うようになっております(´∀`;) 無休でインフルエンザになったりしながらも体張ってメディアに話題を提供し続け、 今オフスポーツ新聞の扱いからしたら断トツでトップじゃないかと思うくらい紙面を飾りまくってる中畑さん。 ラミレスと一緒に心を込めてファンを呼び込むことに注力し、 これまでとは比較にならないほどベイスターズのメディア露出度を上げてくれた中畑さん。 お客さんも前より入
(白水社・4200円) ◇裏返る時間と後退にしかならない前進 クロード・シモンがまだノーベル賞作家となる前、一九八一年に発表された長篇『農耕詩』最大の特徴は、異国の文法で言うところの現在分詞で切れ目なく構築された文章にある。途切れることなくつながっていく濃密な描写に魅了されて言葉の流れを追えば追うほど、総体がぼやけて見えなくなってくるのは当然だが、奇妙なことに、見えなくなるのを愚としない特異な世界がここでは堂々と提示されている。 茫漠(ぼうばく)とした印象をもたらす原因は、「彼」と呼ばれる人物が登場する第1部にあると言っていいだろう。全体は五部構成で、「彼」の影は最後まで消えずに残されるのだが、じつは、このおなじ人称代名詞で示される人物が三人いるのである。ナポレオン軍の将として欧州を転戦し、退役した「彼」。第二次世界大戦時、ムーズ川での戦いで潰走(かいそう)する「彼」。そしてスペイン内戦に
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