日本の芸能や文学を規定する美意識として機能してきた「幽玄」や「さび」に関わる論文をテクストに照らし美学的観点から検証していく。作品当時の文脈と近代以降の再発見/再評価以降で微妙に意味やニュアンスを変えつつ「日本的美意識」と呼ばれてきた観念の本質とは。曖昧なままにされてきた価値基準を美学的観点から問いなおす。 ◎けいそうビブリオフィルで本書の一部内容を公開しています。 あとがきたちよみ『幽玄とさびの美学』 序 章 日本的美意識 1 幽玄と象徴 2 芭蕉の「象徴主義」 3 能と『新古今集』 4 「日本的なるもの」 第一章 俊成の幽玄 1 歌合の評語 2 余情と幽玄 3 判詞における幽玄 4 美的概念 第二章 俊成の艶 1 『源氏物語』の艶 2 感覚語と感情語 3 判詞における艶 4 幽玄と艶 第三章 定家の妖艶と世阿弥の幽玄 1 余情妖艶と新古今調新風 2 本歌・本説取り 3 三句切れ──疎句
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