パリを象徴する建築物のひとつでもあるこの数百年来の大聖堂が、屋根の補修工事中に出火、大きな火災にみまわれたというニュースは世界中を驚かせました。中世以来の木造の天井を一夜にして焼いてしまった炎のようすは、ネット越しの映像や動画で見ても被害の大きさを想像させるに充分なほど。 信徒の方々やカトリック教会にとって、もっとも大切な聖遺物をはじめ、多くの貴重な宝物類は被災せず(多くは被害拡大前に運び出されたか保全整備中で別所にあったため無事)、建築物全体としての構造も崩れずに済みました。象徴的なステンドグラス入りバラ窓も健在との写真が公開されるなど、鎮火後は不幸中の幸いともいえる続報が相次ぎ、多くの人が胸をなでおろしました。 政教分離を旨とするフランス政府も、キリスト教を奉じない人々も含まれるフランス国民に配慮しながら、被害に対する強い悲しみを公式声明で表明していました。 ステンドグラスと並んで災害