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2023年8月20日のブックマーク (1件)

  • 第4話 - 夢のように、おりてくるもの(磯崎愛) - カクヨム

    「さっきは災難でしたね」 ロッカールームを出たところで同僚に声をかけられて目をしばたくと、彼はすこし困ったような顔でつづけた。 「おれが出てくとよけい厄介なことになったと思うんで」 「わたしの仕事の件ですから」 撥ねつけるような言い方をしたわたしにも、彼は表情をかえずにつづけた。 「それはそうなんですが。おれのいたとこじゃ、夢使いのひとにあんな言い方するなんて有り得ないんですよ。その……」 あんなふうに扱われる存在ではないと、そう言ってくれているのだと察した。彼の故郷では、闇を祓うものとして夢使いが未だに尊敬されているのだろう。 その一言にささくれた気分は払拭され、自分が独り勝手に被害者意識に押し潰されていたと察したが、そのことには触れず、わたしは気になったことだけ聞き返した。 「どちらにお住まいでしたか?」 「ずっと北の外れの小さな町です」 「北の夢使いは優秀な方が多いと聞いています」

    第4話 - 夢のように、おりてくるもの(磯崎愛) - カクヨム
    florentine
    florentine 2023/08/20
    “たぶんあなたはおれが『夢使い』を嫌ってると思ってたでしょうけど、そうじゃなくて、おれはあなたが好きだから、たとえ何もなくとも、あなたが依頼人と一夜をすごすのがつらいんですよ。”