長崎港停泊中に新型コロナウイルスの集団感染が発生したクルーズ船コスタ・アトランチカ。乗組員の健康管理に、長崎大熱帯医学研究所助教の山藤栄一郎氏(40)と富士通が共同開発したアプリが活用された。遠隔で乗組員の状態を把握して関係者が情報共有し、重症化リスクの早期察知にも役立った。山藤氏は今後、介護現場でのアプリ活用などを検討している。 600人以上の全乗組員を対象に、スマートフォンでQRコードを読み込んでもらった。身長や体重、基礎疾患があるかどうか、喫煙歴などの入力に加えて、毎日午前に体温、せき、吐き気、頭痛の有無などの報告を求めた。 日々のデータを、厚生労働省クラスター対策班の一員でもある山藤氏がチェック。健康状態を詳細に把握し、発熱チェックだけでは見つけられなかった肺炎の徴候の発見につながった。 また基礎疾患や喫煙歴、肥満かどうかなど身体的特徴のデータを把握していたことで、重症化の可能性を