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ブックマーク / lju.hatenablog.com (5)

  •  ドストエフスキー “カラマーゾフの兄弟” - three million cheers.

    “Братья Карамазовы” 1880 Фёдор Михайлович Достоевский 0.. 読んでよかった。 これは、ひとことでは語れないな。 小説というよりも、文学、ということばこそが適切。 内部に世界と同等の複雑性を備え、それを基にしてこの世のすべての事象を語ることができるもの、それを文学と呼ぶとするならば。 こののテーマは何?ってひとことでまとめられない。 神と人間、家族、愛、社会... とかいろいろなことばを挙げることはできるのだろうけど、そのように何かに収斂させるべきではなくて、ここにあるのは世界あるいはあらゆる人間をまるごと凝縮したもの、というようなものであって、そのように世界を表象させる器が、文学作品というものなのか、と思った。 こういうの書くのには、どれだけの労力が要るんだろう。 1.. 長大な文学であり、膨大な思索が分岐し、さまざまなテーマが語ら

     ドストエフスキー “カラマーゾフの兄弟” - three million cheers.
  •  スタニスワフ・レム “虚数” - three million cheers.

    まだ全部よみおわってないけど...。 スタニスワフ・レム“虚数”。 これは確かに奇書だ。 (訳が微妙...。というか訳しにくいんだろうなー、とは思うけど。) 簡単に説明すると、これは、「未だ書かれていない書物の『序文』を集めた」。 たとえば、細菌に言葉を教えこんだ未来の細菌学者の研究書、の序文、とか。 あるいは、精巧なコンピュータがおこなう未来予知を集めてつくられた百科事典、の序文とか。 SFアイデア集といった感じでもある。 さらに、この序文集の序文、までちゃんと作者が(意識的に)書いてたりもする。 レムは“ソラリスの陽のもとに”(タルコフスキーの“ソラリス”の原作)も相当おもしろいけど、あれはこれに比べるとすごくまっとうだ。ちなみにソラリスは、タルコフスキーとレムでは視点がぜんぜんちがう。レムの場合は、あくまで、異質な知性そのものを主題にしている。質的にSF作家なんだと思う。それは、

     スタニスワフ・レム “虚数” - three million cheers.
  •  フローベール “感情教育”(1869) - three million cheers.

    “L'EDUCATION SENTIMENTALE” 1864-1869 Gustave Flaubert ASIN:4003253833 / ASIN:4003253841 [概要] フランス。パリが主な舞台。 あらすじは...書きにくい。目をみはるような展開があるわけではないので。二月革命という動乱期を舞台にしてはいるのだけれど、そうしたなかにあっても淡々と過ごされる生活が、非常に緻密、かつ平坦に描かれる。生じていることは、ありふれた事柄ばかり。現在でも通じる。街並、テクノロジーはもちろん異なるが、ものの考え方などに違和感はない。思考が現代的。決闘(ちょっとグダグダだが。)とか革命とかも出ては来るが。革命そのものは、劇的な変動としては描かれない(主人公に衝動的な影響は与えるが、恒久的な変化はもたらさない)。争乱、流血が続いても、妙にのんびりした雰囲気が漂ってたりする。悲壮的なのはデュサ

     フローベール “感情教育”(1869) - three million cheers.
  • カフカ “城” - three million cheers.

    “Das Schloss” 1922 Franz Kafka ASIN:4102071024 [概要] 不条理文学の代表格とされている。 たしかに、設定された状況は奇妙。 仕事の依頼を受け、とある村にたどり着く測量士K。しかし到着してからすぐに、あらゆる物事が思うように進まなくなっていく。びっしりとはりめぐらされた不可解な規範に、ことごとく動きを絡み取られる。規範の中心には「城」を基盤とする茫漠とした官僚機構があるらしいのだが、Kと城の間には幾重もの見えない障壁が立ちはだかり、城は彼の存在を無視し続ける。したがって、いつまでたっても測量の仕事にとりかかることができない。それどころか、寝泊まりする場所を確保することすら困難になっていく。そうこうしてるうちに酒場の娘と結婚の約束をして一緒に生活を始めたり、別の娘と深い話をして同情を覚えたり。揺れ動きながら、さまざまな村人と交流していく。そんなな

    カフカ “城” - three million cheers.
  •  大森望 編 “時間SF傑作選 ここがウィネトカなら、きみはジュディ” - three million cheers.

    ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー) 作者:テッド・チャン,クリストファー・プリースト,リチャード・A・ルポフ,ソムトウ・スチャリトクル,F・M・バズビイ,イアン・ワトスン,ロベルト・クアリア,ボブ・ショウ,ジョージ・アレック・エフィンジャー,ロバート・シルヴァーバーグ,シオドア・スタージョン,デイヴィッド・I・マッスン,H・ビーム・パイパー発売日: 2010/09/22メディア: 文庫 「時間SF」の短編を集めたアンソロジー。 未来や過去への時間跳躍だけでなく、時間凍結や時間ループなど、いろいろなタイプのものが取りそろえられている。 たとえば、「リプレイ」で有名になった時間ループものだけでも、ループの仕方の違いで4作品のバリエーションが収められていたりする。 初出された時代も色とりどり。60年前に出された作品もあれば、テッド・

     大森望 編 “時間SF傑作選 ここがウィネトカなら、きみはジュディ” - three million cheers.
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