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ブックマーク / sim-saba.hatenablog.com (62)

  • 裁判傍聴と更生の難しさ(2) - SIM's memo

    記者会見をする原裕美子さん@太田市役所記者クラブ室 正午、太田市役所へ移動し、記者会見場である市役所記者クラブ室へ。すでにキー局のテレビカメラはセッティング済みで、こちらもいそいでテーブルにマイクをセッティング。当初、原さん側の要望で12時30分開始に変更されたが、色々あって当初の予定通り13時から開かれた。 記者会見前、クラブ室入口前にあるソファーに、原さんと弁護士、そして原さんのご両親が座っていた。弁護士が原さんに執行猶予がついたけど、決して軽い刑ではないことを切々と説いていたのが印象的だった。 会見は原さんの謝罪からはじまった。感情が込み上げてきたためか、途中嗚咽とともに涙ながらに謝罪。その後は少し落ち着いたのか、記者たちからの質問に誠実かつハキハキと答えていた。私は会見場から出た入口付近で会見を見ていた。私の斜め後ろには、原さんのお父さんが腕を組みながら微動だにせず会見を眺めていた

    裁判傍聴と更生の難しさ(2) - SIM's memo
    florentine
    florentine 2018/12/04
    “私が見ていて改めて感じたのは、摂食障害をはじめとする依存症へと繋がる病気の根っこには、孤独感と人と人とのつながりが切れてしまうことの不安がある点である
  • 一地方で書籍をつくること - SIM's memo

    ご無沙汰しております。お元気ですか?12月になりました。早いものです。これから、忘年会やらクリスマスやら、大掃除に正月の準備で忙しく突っ走っていくと思うと、12月もあっという間に過ぎそうですよね。 そんな訳で、この時期になると、いろいろと振り返りたくなる衝動に駆られます。「振り返りたくなる」と書きましたが、厳密に言えば、今やっている仕事について文字(客観)化したい、ということです。 ところで、いきなりですが、地方で書籍をつくるとは一体どういうことなのでしょうか?私は書籍の編集を主に生業としているので、ここ1年ずっとこのことが頭の片隅に居続けていました。なぜか?基的に、地方で書籍出版のみで営業するのはかなり厳しいのが現状です。僕が在籍しているところでは、書籍の売り上げは会社全体の1割です。この割合は、年間の出版数が20冊にも満たないという現状を考慮しないといけない割合です。 とはいえ、販路

    一地方で書籍をつくること - SIM's memo
  • 小林多喜二の最期を綴った書簡をめぐって(2) - SIM's memo

    石井友幸書簡を読む(1) では、今回公開された3通にはどのようなことが書かれているたのか?まず、昭和37(1962)年1月10日付書簡(便宜上、「書簡A」とする)を見てみよう。小林多喜二が築地署で拷問を受けて息をひきとる際、「『日共産党万才(ママ)!』とさけんだというのはまちがいで、それは多喜二をいたずたらに英雄化せんとする浅薄な試みである」と述べている。そして、江口渙が多喜二が房にほうりこまれた時に多喜二の母親への伝言を言ったように書いているが、このことも石井は「多喜二は房の中に入れられたときは、口もきくことができないほどに危篤状態になつていたように思いますので、私は小林のとなりの房にいて耳をしまして(ママ)いましたが、多喜二は苦しさでたゞうなつているだけで、ひとことも口をきかなかつたように思います」と否定している。とはいえ、石井はつづけて「しかし私は小林の房の中にいたのではありません

    小林多喜二の最期を綴った書簡をめぐって(2) - SIM's memo
  • 小林多喜二の最期を綴った書簡をめぐって(1) - SIM's memo

    2015年2月17日付毎日新聞社会面で「小林多喜二:最期、生々しく…隣室収監の学者が書簡に記す」が掲載された(webサイトでは16日夜配信)。 「隣室収監の学者」というのは、当時東京高等師範学校の助教授兼東京文理大学*1の講師をしていた石井友幸(1903〜1972)のこと。昭和7(1932)年に創立された研究団体である唯物論研究会に入っており、会誌『唯物論研究』に積極的に投稿していた生物学者である。昭和8(1933)年2月20日、小林多喜二が築地署へ連行された時、石井は留置所の第一房に入れられていて、多喜二は第二房に入れられたという。 これまで、プロレタリア作家・小林多喜二(1903〜1933)が昭和8(1933)年2月20日に築地署で拷問死された前後については、確たる資料がほとんどなく、関係者からの証言などで半ば伝説化されたきらいがあった。しかし今回の客観的資料が発見・公開されたことによ

    小林多喜二の最期を綴った書簡をめぐって(1) - SIM's memo
    florentine
    florentine 2017/05/01
    「プロレタリア作家・小林多喜二(1903〜1933)が昭和8(1933)年2月20日に築地署で拷問死された前後については、確たる資料がほとんどなく、関係者からの証言などで半ば伝説化されたきらいがあった
  • 尾道漫遊記(3) - SIM's memo

    文学記念室下の帆雨亭の桜。ところどころ花びらが開いていた まだ9時前だった。文学記念室と志賀直哉旧宅は開館前だった。文学記念室下の石畳を抜けると、休憩スペースがあり、たちが思い思いに佇んでいた。立派なカメラを持った女性がたちを撮影していた。彼女の邪魔にならないよう休憩スペースのベンチに座っていたが、1匹のが僕の隣にきて座ってしまい、彼女の撮影の邪魔になると思い立ち去った。 千光寺道を登り振り返ると、観光客たちが何名か歩いていた。眼下には、尾道水道がはっきりと見えた。あいにくの曇天だったが、海のややくすんだ青が春にふさわしく感じた。 中村憲吉旧宅そばからは、南北朝時代の創建で、国の重要文化財に指定されている天寧寺三重塔(海雲塔)が見えた。創建当時は五重塔だったが、元禄年間に上層二塔を取り除き、三重塔に改修したとか。ここからの眺めも「尾道」らしい。 9時になり、文学記念室へ向かった。国の

    尾道漫遊記(3) - SIM's memo
    florentine
    florentine 2017/04/14
    志賀直哉旧宅
  • Gozo & Dylan(Part Ⅱ) - SIM's memo

    21世紀のAmerican Popular Musicを奏でているDylan 今月(4月)に入って、日の主要都市でツアーを行ってきたDylan. 一緒に行ったM氏から予めset list&音源を送ってもらっていたので、だいたいこんな感じの曲をやるんだなーとはわかっていた。けれども、月並みな表現だが、生演奏による音の塊を受けながら聴くのは驚きだ。Dylan版ムード歌謡といったテイストの曲も結構あったのだが、基的にはRock 'n Roll. 月日の流れとともに姿形は違えども、半世紀前にacousticではなくelectric guitarを持ってステージに現れた時とbaseは何ら変わっていない。それがわかったのが、まず嬉しかった。 変わっていないというのは、何も進化も変化もないということを意味しているのではない。これは、アンコールでやった"Browin' in the Wind"を聴いて

    Gozo & Dylan(Part Ⅱ) - SIM's memo
  • GW - SIM's memo

    今更ながら、GWに出かけた(仕事含む)ところで気ままに撮った写真を備忘録的に。 桐生の近代化遺産 @桐生明治館(旧群馬県衛生所) 明治11(1878)年竣工の擬洋風建築で国の重要文化財。館内には、明治期に使われていたさまざまなモノが置いてあった。館内にある喫茶店には、何故か寄贈されたLPレコードがたくさん置いてあったのが印象的だった。 @桐生市近代化遺産絹撚記念館(旧模範工場桐生撚糸合資会社事務所棟) 大正6(1917)年建築の洋風石造建造物。大谷石造り洋風2階建てで、外面はセメント漆喰、内面は漆喰仕上げとなっている。館内はなかなか趣があり、ここの館長は名物といっていいかも。 織姫山@足利 足利市街地を一望できる織姫山。銅像のおっさんが誰なのか、確認するのが面倒でわからない。山頂には喫茶店があり、ガレットがべられます。そして山頂にさらに盛り上がった丘がある。足利市指定文化財にもなっている

    GW - SIM's memo
  • Gozo & Dylan(Part Ⅰ) - SIM's memo

    どうもご無沙汰しております。皆様、お元気だったでしょうか?こちらは相も変わらず、俗事にもまれにもまれた日々を過ごしております。が、24・25日の2日間は、僕にとってのコペルニクス的転回をもたらしてくれた2日間でした。主人公は、吉増剛造とBob Dylan. なぜこの2人なのか?まず吉増剛造から。24日、足利市立美術館で開催中の企画展「画家の詩、詩人の絵」のイベントとして、企画展にも出品している詩人のトークセッションに参加した。吉増の名は、学生時代から常に目にしてきた人である。そして、僕の好きな田村隆一のエッセイにも度々登場する詩人ということもあって、その人の姿を間近で見られるまたとないチャンスだと思ったためだ。ちょうど、講談社現代新書から、彼の自伝も出たこともあった。 そして、Dylan。翌25日、渋谷はBunkamura オーチャードホールでのライブ。今年75になるDylanの「今」の

    Gozo & Dylan(Part Ⅰ) - SIM's memo
  • 輝く!積読状態の書籍アワード2015(下) - SIM's memo

    ヴィジュアルで想像の旅を巡る 芳賀日出男『日の民俗 祭りと芸能』(角川文庫) 二村 悟(監修)『ニッポン産業遺産の旅』(平凡社) 細萱 久美『函と館』(平凡社) さて、今年はヴィジュアルをそれなりに購入しました。仕事の一環というのがほとんどでしたが、気になってしまう基準というのがあります。それはエディトリアル・シップがきちんとしている書籍かどうかです。そう考えると、上記の3冊はそれぞれに個性的です。その中で選んだのが・・・ 函と館 作者: 細萱久美,野川かさね出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2015/11/20メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 何が素晴らしいって、まず幾何学模様と円形に収めた写真という表紙デザイン、そしてどこかなつかしくなるようなフォント。函館の魅力を満遍なく紹介しているところもいいのですが、フィルムで撮影したの?と思わせるような写真の

    輝く!積読状態の書籍アワード2015(下) - SIM's memo
  • 輝く!積読状態の書籍アワード2015(上) - SIM's memo

    えー、振り返れば、もう年の瀬。相変わらずの貧乏稼業ということで、慌ただしく過ごしております。 さてさて、年末恒例の積読状態の書籍から振り返る2015年。購入した書籍は104冊。そのうち、積読状態の書籍は63冊。実に6割ほど買ったのに読んでないことになります。その中から、今年はどんな書籍を購入し、どの書籍がアツかったを各部門別にノミネート3作品ずつ挙げて決めようかなと思います。 小説を読もうとした痕跡を確認しよう ミランダ・ジュライ『あなたを選んでくれるもの』(新潮社) ジーン・ウルフ『ジーン・ウルフの記念日の』(国書刊行会) ウラジーミル・ナボコフ『記憶よ、語れ』(作品社) ここのところ、めっきり小説が読めなくなってしまったのですが、毎年1冊は小説を読もうと努力しています。とはいえ、結局今年もほとんど小説を読めませんでした。その中で、年のこの部門で賞を獲得したのは・・・ あなたを選んで

    輝く!積読状態の書籍アワード2015(上) - SIM's memo
    florentine
    florentine 2015/12/30
    編集S氏、あいかわらず面白そうな本積んでるな。今年はおかげさまでまったく手つかずだった戦中戦後史についてほんのちょびっと齧ることができたので感謝しています。
  • ご相談→ご報告 - SIM's memo

    前回の記事で、積読状態を少しでも解消すべく、次に何を読めばいいかと尋ねましたところ、いろいろと選んで下さいました。ここで改めてお礼申し上げます。有難うございます。 そんな訳で、今日から以下の順序で読んでいこうと思ってます。 西脇順三郎『野原をゆく』(講談社文芸文庫) スタニスワフ・レム『短篇ベスト10』(国書刊行会) 荒俣 宏『サイエンス異人伝』(講談社ブルーバックス) 講談社文芸文庫編『素描 埴谷雄高を語る』(講談社文芸文庫) ミランダ・ジュライ『あなたを選んでくれるもの』(新潮社) 自分では思いつかなかった順番です。西脇とミランダ・ジュライに挟まれて、SF的なものが入るというのが、なかなかいいですね(自画自賛に近いです)。ちなみに、埴谷雄高という人自体がすでにSF的です。 それぞれ読み終わったら、読書メモみたいなものをここで書いておこうと思ってます。では早速、西脇順三郎先生にお会いして

    ご相談→ご報告 - SIM's memo
  • ご相談 - SIM's memo

    相変わらず、積読状態の書籍が増える一方である。そして、いざ1冊読み終わると、次にどの書籍を読んでいいか途方にくれているのが現状。 そこで、見て下さっている方々にご相談。以下に列挙する書籍の中で、小生が次に読んだらいいんじゃない?という書籍を選んでもらおうと思いついた。 小島信夫『の話/眼』(講談社文芸文庫) 西脇順三郎『野原をゆく』(講談社文芸文庫) 講談社文芸文庫編『素描 埴谷雄高を語る』(講談社文芸文庫) 中村光夫『谷崎潤一郎論』(講談社文芸文庫) 時実象一『デジタル・アーカイブの最前線』(講談社ブルーバックス) 荒俣 宏『サイエンス異人伝』(講談社ブルーバックス) 瀬川拓郎『アイヌ学入門』(講談社現代新書) 成田龍一『加藤周一を記憶する』(講談社現代新書) 『吉行淳之介娼婦小説集成』(中公文庫) 唐澤太輔『南方熊楠』(中公新書) 『ジーン・ウルフの記念日の』(国書刊行会) スタニ

    ご相談 - SIM's memo
    florentine
    florentine 2015/10/17
    おや、編集S氏お元気そうではないですか。
  • 再読すること - SIM's memo

    今年の年頭に掲げた目標のひとつに「再読」があった。今年も残りあと3ヶ月になろうとしているが、今のところこの目標は達成できる見込みはない。そもそも再読をあまりしないから、古きをたずね、新しきを知るために掲げた目標だった。 振り返れば、小説の場合、再読をする作品はごくごく限られている。村上春樹の一連のエッセイ(ここ5、6年再読してない)、Raymond Chandler "The Long Goodbye"(2年に1回は必ず再読)、石川淳の「普賢」、そして漱石のいわゆる三部作。これだけだ。 再読はまた会いたくなる人のようなものだと思っている。そのことを敷衍すれば、村上春樹やChandler、石川淳はまあわからないでもない。けれども何故漱石の三部作なのか、よくわからない。先日、書店で岩波文庫の棚を眺めていたら、装丁が変わった『それから』と『門』があった。最近、「朝日新聞」で再連載されていたためだ

    再読すること - SIM's memo
  • 祈りとまとめと - SIM's memo

    ひと月近く、そろそろひと区切りつける必要があるかなあと思っていた。今はとりあえず、締め切りや納期に追われ、そこを目指してひたすら進んでいる。そういう時は意外に気が楽。あまり余計なことを考えずに済むからだ。けれども、ふと振り返ると、このままでいいのだろうか?と思う自分もいる。 仕事は僕にとって祈りみたいなもので、先述したように、あまり余計なことを考えなくていいからだ。仕事をすることで、余計な感情を一旦棚の上にあげながら、自分の愚かさやどうしようもない部分を成仏できるような錯覚に陥らせてくれる。けれども、それだけでは前へは進めないということもわかってきた。そういうことがわかるというのが、年齢を重ねてよい唯一の点かもしれない。 この駄文で述べたいことは、祈り続けていても、いつか必ず自分で前へ進むための区切りをつけなくてはならないということ。祈っている時は、僕個人のことで言えば、前へ進んでいるとい

    祈りとまとめと - SIM's memo
  • 仕事とコミュニケーション(3) - SIM's memo

    case3:コミュニケーションと段取り 最後に現在進行形の話を。来年3月に刊行予定の書籍の準備をそろそろはじめないといけないと思っている。けれども、急な仕事の対応に終われ、ついつい準備ができないでいる。自分の頭の中では、段取りのイメージが出来上がっているのに、それを実行できないでいる。 これって、自分のヤル気と「めんどくせーなー」という気持ちとのせめぎ合いが原因なのだろう。その克服のために何ができるかといえば、結局は場数を踏むしかないのと、刑事じゃないけれども、足で稼ぐしかないと実感している。 昨日、お世話になっているある資料館の学芸員の方とお話をしてきた。ちょっと教えてほしいことがあったからだ。話は脱線し、仕事論みたいな話になった。その学芸員の方は「やっぱり最後は企画力。そのためにも遊び心は重要」と再三述べていた。ではそのためには?となった時、やっぱり「コミュニケーション」と言っていた。

    仕事とコミュニケーション(3) - SIM's memo
  • 仕事とコミュニケーション(2) - SIM's memo

    case2:五里霧中でライティング 次のケースは、つい昨夜まであったこと。東京の某制作会社から、国内の世界遺産を紹介する冊子の原稿作成の仕事での話。小生はライターさんに書いてもらった原稿をチェックしたり、場合によっては手直しをしたりするなどの仕事を頼まれていた。最初の校正原稿をもらった時、正直驚いた。こちらが指示したことがあまり修正されていない。さらに、クライアントからよくわからない修正指示の文書が送られ、これを見て手直しをしてくれと言われた。 ここで早めに電話なりして、東京の制作会社の担当者と直接話をしながら確認すればよかった。会ったこともない人間との仕事は往々にしてある。メールだけだと、相手の意図することを汲み取るのは難しいことが多い。話せばわかる、じゃないけれども、話せば、どういう人間なのかある程度は想像できる。今回のように、細部に神経を使う仕事だとなおさらと痛感した。 最終的に、一

    仕事とコミュニケーション(2) - SIM's memo
  • 仕事とコミュニケーション(1) - SIM's memo

    どうもご無沙汰しております。 夏ですねぇ。 暑いですねぇ。 みなさん、素敵なお盆をお過ごしかと思います。 小生、お盆関係なく、貧乏暇なし、仕事に邁進しております。 仕事に追われ、読書もままならない今日この頃。 最近思うことがあるのです。 なんだかんだ言っても、結局仕事は相手といかにコミュニケーションをとっていくか。 これに尽きるなと。 コミュニケーション如何によっては、仕事の質がかなり変わってくると思うのです。 「そんなの知ってるよ。当たり前だろーよー」とおっしゃらないでください。 小生、最近になってようやく実感したのですから。 そんな訳で、最近感じた「仕事とコミュニケーション」について、いくつかケース・スタディとしてつらつら書いてみようと思います。 case1:途中で引き受けた仕事。船頭が見当たらず路頭に迷う とある書籍の編集をいきなり任された時のこと。発行元の担当者がいっぱいいっぱいで

    仕事とコミュニケーション(1) - SIM's memo
  • ふたつの岸辺で - SIM's memo

    今年は戦後70年ということもあって、関連するラジオ特番と書籍をつくる機会にそれぞれ恵まれた。ラジオ特番の取材の中で、一組の老夫婦と知り合う機会に恵まれた。 昨秋のこと。いつも世話になっている方へ相談に行った際紹介されたのがきっかけだった。お宅へうかがうと、大きな梅の木と手入れされた畑があった。出迎えてくれた老夫婦はとても上品そうな印象だった。 お会いする前に、世話になっている方から、老夫婦が住んでいる地域の歴史をまとめた資料を渡されていたので読んでおいた。ここは戦中は陸軍の飛行学校と飛行場があり、戦後すぐに引揚者や旧軍人などが入植した開拓地だった。 お会いした時、ご主人と奥様ともに83歳。ご主人は元小学校校長。陸軍の少年飛行兵になるべく、14歳で現在住んでいる場所にあった旧陸軍の飛行学校にいた。最初はご主人の話をあれこれ2時間ほど聴いていた。貴重な資料も見せていただいた。学校の先生だったと

    ふたつの岸辺で - SIM's memo
  • 月1レギュラー - SIM's memo

    今月から地元のAM局の音楽番組に月に1度レギュラー出演することになった。 きっかけは、今年の正月特番の収録前にパーソナリティーの方から誘われたこと。有難く引き受けさせていただいた。とはいえ、プレッシャーだったりする。現に、先日1回目のオンエアを聴いたのだが、結構緊張していたのがわかる。でも、なんだか偉そうにペラペラしゃべっていた。 とはいえ、反省はいっぱいある。せっかくやるんだから、楽しんでやりたいと思ってる。幸い、この番組は15年目を迎える長寿番組なのに、一度もスポンサーがついたことがない。なので、とてもやりやすい。上の人間は制作費があまりかからない割には、聴取率がいいので辞めさせていないという話を聞いたことがある。 自分の声がラジオから聴こえてくる気分はどうなの?と聞かれるのだが、特段何とも思わない。他人のようにも聴こえるけど、他人じゃないという感覚である。これでますます何をやっている

    月1レギュラー - SIM's memo
  • 記憶の結晶 - SIM's memo

    昨日の午前、そぼふる雨の中、戦争体験者の証言を録るためにとある女性の方のお宅へうかがった。その方は大正14(1925)年生まれだから、今年で89歳。ご自宅の急な階段をすいすい昇っていく姿に僕が呆然としていると、「いつも昇っているから元気なんですかねぇ」とおっしゃっていた。 さらにお話を伺うと、どうやら旅行がとても好きで、昨秋にはやく3ヶ月半かけて豪華客船で世界一周をしてきたとのこと。さらに、数日前にはフェリーで高知〜大分を経由して瀬戸内海の島々を巡ったとのこと。まったくもって、このヴァイタリティーの源はなんだろうとさらに尋ねると、ずばり「好奇心」とのこと。頭が下がる思いがした。 あれこれと雑談しつつ、無事なんとか証言を収録し終わった後、古いアルバムを拝見させていただいた。大空襲の前に防空壕へ隠しておいて、戦火を免れた貴重な記憶の結晶である。自分が生まれ育ったをこころから愛しているその方にと

    記憶の結晶 - SIM's memo