「アジアは世界の中で大きな市場になるポテンシャルを秘めている。アジアビジネスは(目先の利益にとらわれず)10年先を見て思い切った投資をしていきたい」。NTTデータの岩本敏男社長は2013年9月27日、タイの首都バンコクで同社が開催した記者会見で、こう強調した。アジアでの事業拡大に向けて、M&A(合併・買収)を仕掛けていく意向があることも表明した。 岩本社長はNTTデータの海外戦略について、「8年ほど前からグローバル化を強化してきた結果、IT企業のM&Aなどによって、海外の拠点網は34カ国、136都市まで拡大し、海外売上高は2012年度で2300億円まで伸びた」とした上で、「3年後にはこれを3500億円まで増やしたい」と続けた。 ただ、売り上げの絶対額で見ると、欧米に比べてアジアの事業規模はまだ小さい。短期的な収益確保と中長期的な投資のバランスをどう取っていくかという記者の質問に、岩本社長は