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ブックマーク / whatsmoney.hateblo.jp (17)

  • "credit"という単語のコアイメージを掴もう - 経済学を疑え!

    "credit"を安易に“信用”と訳すな "credit"という英単語の意味をご存じでしょうか。 信用、その通りです。 しかし、他にもいろいろと意味があるのです。 例えば、掛け売り、信用貸し、債権、預金という意味があります。*1 また、動詞としてはもちろん「信用する」という意味なのですが、「貸方(かしかた)に記入する」という意味もあります。 貸方というのは簿記の用語で、バランスシートの右側、負債を記入する側のことです。*2 こんなにたくさんの意味があるのに、"credit"という単語が出てくると私たちは即座に“信用”という言葉に変換して分かった気になってしまいます。 たとえば、次のような文です。 Money is credit. *3 この文は普通、「貨幣とは信用である」と訳されます。 しかし、「貨幣とは信用である」と言われて意味が分かるでしょうか? 正直な人なら「良く分からない」と言うで

    "credit"という単語のコアイメージを掴もう - 経済学を疑え!
  • 消費税増税は“正解”なのか - 経済学を疑え!

    先日ある人にこんなことを聞かれました。 「テレビの討論番組で消費税増税について賛成派と反対派が延々と議論していたが、結局どっちが正解なのか。実際に増税されたということはそれが正解なのか」 結局その時は時間が無くなって話せなかったので、私なりの回答をここに書いておこうと思います。 結論から言えば、富裕層にとっては消費税を増税することが正解で、庶民にとっては増税しないことが正解です。 私たちの目指すべきところが経世済民(世の中をよく治めて人々を苦しみから救うこと)なのだとすれば、庶民が得をするように、すなわち消費税は増税しないこと、もっと言えば減税したり廃止したりすることが正解となります。 詳しく説明しましょう。 ルールを変更すると何が起きるか まず、税制というのはルールです。 当たり前ですよね。 世の中に色々あるルールのうちの1つが、何かを買う時に消費税として8%上乗せして払うというルールで

    消費税増税は“正解”なのか - 経済学を疑え!
  • 植松被告人との対話③ 借金とは何か - 経済学を疑え!

    「今回は、借金とは何かという話をするよ」 「はい」 「お金麻雀の点棒に似ているという話は分かってくれたかな」 「分かったような気がします」 「前回言ったように、各自がノートを持って、生産物プールに生産物を投げ入れたら数字をプラス、プールから生産物を取ったら数字をマイナスしていれば、経済は問題なく回る」 「ふむ。モノやサービスを買ったら数字を減らして、モノやサービスを売ったら数字を増やすということですよね*1」 「そう。この数字をきちんと管理できるなら、紙幣や硬貨のようなお金は無くてもいい」 「でも、ノートで数字を管理するのは、計算を間違えるかもしれないし、ウソをつくかもしれないし、何より面倒ですよ」 「そうだね。でも、今時はみんなスマホを持ち歩いているから、スマホのアプリで数字を管理するのであれば、出来そうだよね」 「なるほど……そうかも知れませんね。ところで、この数字は0になったらそれ

    植松被告人との対話③ 借金とは何か - 経済学を疑え!
  • 所有は暴力によって機能する - 経済学を疑え!

    なぜ所有のルールに従うのか 「今回は、前々回に立てた『所有はなぜ機能するのか』という問いについて考えよう」 「所有はなぜ機能するのかって?うーん。そもそも、その問いの意味がよく分からないんだけど……」 「所有のルールでは、他の人が所有しているモノは奪えないし、勝手に使うことも出来ないよね」 「そうね」 「なぜ人々は、この所有のルールに素直に従うんだろうか?」 「そんなの、当たり前でしょ」 「どうして?ルールを無視して人のモノを勝手に奪う人がいたっていいでしょ」 「人のモノを取ったら犯罪じゃん」 「そうだねぇ。でも、人のモノを奪うのは犯罪だから、法律でそう決まっているからという理由で、その法律に素直に従うのかな」 「違うの?」 「賭け麻雀で考えてみよう。お金を賭けて麻雀をすることは、法律で禁じられているよね」 「うん」 「でも実際には、安いレートの賭け麻雀なら警察も見逃してくれる。この場合、

    所有は暴力によって機能する - 経済学を疑え!
  • 所有はアタマの中にある - 経済学を疑え!

    所有は客観的事実ではない 「今回は、所有について考えるよ」 「所有……前にも所有について考えたような」 「そうだね。もう少し深く考えてみよう」 「別にいいけど」 「僕が最近読んだでは、所有についてこんな風に書かれていたよ。『所有は全部、マボロシ』だと」 悪魔とのおしゃべり 作者: さとうみつろう 出版社/メーカー: サンマーク出版 発売日: 2017/10/24 メディア: 単行(ソフトカバー) この商品を含むブログ (7件) を見る 「所有はマボロシ? ……どういうこと?」 「所有というものを証明する明確な証拠は無いからね」 「そうなの?」 「マイがあるモノ……たとえば金貨を1枚所有しているとするよね。でも、マイがその金貨を所有しているということを客観的に証明する方法は無いんだ」 「なんで? 私の金貨は私のモノでしょ」 「うん。マイはそう主張するよね。でも、マイと金貨は別にヒモでつな

    所有はアタマの中にある - 経済学を疑え!
  • 技術的失業を考える - 経済学を疑え!

    「今回は、技術的失業について考えるよ」 「ふーん。技術的失業ってなに?」 「ロボットやAI技術が発達すると、人間の代わりにロボットやAI仕事をするようになるよね*1」 「そうね」 「そうすると、その仕事をしていた人間は失業してしまう。これが技術的失業だ」 「ああ、そういうこと。でも、そうやって失業した人は、別の仕事につくんでしょ?」 「まぁ、失業した人は別の仕事を探すことになるよね」 「そうやって、失業した人が新しい仕事につくことで経済が成長していくんだって聞いたことがあるわ」 「うん。まぁ、間違いではないね」 「……と言うと?」 「まず、失業した人がどんな仕事につくのか、そもそも再就職できるのかが問題だ。ちょっとたとえ話で考えてみよう」 「ふむ」 「A太という人が技術的失業をしたとするよ」 「えーた君ね。どんな仕事をしてたの?」 「仕事は何でもいい」 「具体的な方がイメージしやすいわ

    技術的失業を考える - 経済学を疑え!
    fnoithunder
    fnoithunder 2018/07/03
    セイの法則の欺瞞
  • ビットコインは金に似ているという錯覚 - 経済学を疑え!

    はじめに 前回の記事へのコメントで「仮想通貨は金(gold)と比較するべきでは」というものがありました。 たしかに、仮想通貨が金に似ているという話は良く聞かれますよね。 今回は、仮想通貨の代表格であるビットコインについて、金との類似性を検討してみましょう。 ある人のブログ記事でビットコインと金の特徴を整理して類似性を検討していましたので、この記事をベースにして検討してみます。 この記事では、金の特徴として有限性、永続性、産業的需要、文化的需要、普遍性、市場性、コモディティ、物価変動特性の8つを挙げ、ビットコインにもこの8つの特徴のうち(文化的需要を除く)7つがあるとしています。 当にそうなのでしょうか? coin-otaku.com 有限性 金: 希少鉱物のため、世界中で存在している場所/埋蔵量が限られている ビットコイン: 理論上、発行枚数が定められている たしかに、ビットコインは発行

    ビットコインは金に似ているという錯覚 - 経済学を疑え!
  • 仮想通貨には本当に価値があるのか - 経済学を疑え!

    今回は仮想通貨の価値について考えます。 ネットを見ていると、「仮想通貨には来価値は無い」と言っている人もいますし、「価値は間違いなくある」と言っている人もいます。 どちらが正しいのでしょうか? 暗号技術お金としての価値を生むのか 仮想通貨に価値があるとしたら、何が価値の源泉になっているのでしょうか。 一部の人は、以下のような理由で仮想通貨に価値が生じると考えているようです。 仮想通貨は偽造がほぼ不可能 仮想通貨は取引履歴の改ざんがほぼ不可能 仮想通貨は発行枚数の上限が決まっている*1 つまり、偽造防止・改ざん防止の技術(と発行上限)がお金としての価値を生んでいるという考え方です。 当にそうでしょうか? 話を分かりやすくするために、紙幣の発行で考えてみましょう。 私が独自の紙幣を発行するとします。 ここで、デスノートに出てくるリュークのような死神に登場してもらって、この紙幣を偽造したり

    仮想通貨には本当に価値があるのか - 経済学を疑え!
  • 水道ビジネスで儲ける方法 - 経済学を疑え!

    なぜ水なのか 「今回は、水ビジネスで儲ける方法を説明しよう」 「ふむ。なんで水なの?」 「水は、人間が生きるために必ず必要な資源だからね。水のような資源の権利を押さえてしまえば、その使用料を取ることで搾取ができる」 「ふーん。生きるために必要な資源なら、空気だっていいんじゃない?」 「その通りだね。水ビジネスの次には空気ビジネスの時代が来るかも知れない。でも、現状ではまだ難しいかな」 「なんで?」 「うーん。今のところ、空気には所有の概念が無いからね」 「『今のところ』ってことは、将来的には空気が所有されちゃうかも知れないの?」 「ありえない話じゃないと思うよ」 「ふーむ……。それで?」 「水は今、世界中で需要が増え続けていて、しかも利用可能な淡水は減り続けている。だから、水ビジネスで得られる利益は今後どんどん増えていく可能性が高い」 「なるほど」 「どんどん利益が増えるっていうのは、どん

    水道ビジネスで儲ける方法 - 経済学を疑え!
  • 所有とは何か - 経済学を疑え!

    (今回の記事は前回の続きですので、まずこちらの記事から読んでいただくことをオススメします) whatsmoney.hateblo.jp 自然権の衝突 「さて、自然権の話だったね」 「うん」 「自然権って何のことだったか覚えてる?」 「うーん……。たしか2つあったよね。理想自然権と純自然権だっけ」 「そうだね。理想自然権は人間が作った権利で、『こういう権利が生まれつきあったらいいよね』と皆が思うような権利のこと。理想自然権イコール人権と言ってもいい」 「なんだ、理想自然権って人権のことだったの?最初からそう言ってくれればいいのに」 「自然権と人権をごっちゃにする人がけっこういるからね。いま話題にしようとしている自然権=純自然権は、理想自然権=人権とは全く別の概念だってことをはっきりさせたかったんだよ」 「ふーん。でも、純自然権って自由に振る舞える権利なんでしょ?人権の自由に生きる権利と似たよ

    所有とは何か - 経済学を疑え!
  • 土地のレンタル料=地代の正当性を疑う - 経済学を疑え!

    地代は搾取なのか 「前回、遊んで暮らすためには搾取をするしかないって話をしたけど」 「うん」 「土地をたくさん持ってる人、つまり地主って、遊んで暮らせるよね」 「そうね。土地を貸して賃料を定期的に受け取れるもんね。土地をたくさん持ってれば遊んで暮らせるわ」 「そうだよね。地主は土地のレンタル料、つまり地代を受け取ることで遊んで暮らせるわけだ」 「うん」 「僕が前回言った『遊んで暮らすためには搾取をするしかない』ということが正しいとすれば、地代も搾取だということになるよね」 「ふむ」 「マイはどう思う? 地代を受け取るのは正当な権利だろうか、それとも不当な搾取だろうか」 「そりゃ、正当な権利でしょ」 「どうして?」 「うーん。だって、その人が土地を買った時、それなりの大金を払ってるでしょ。買ったのは先祖の人かも知れないけど」 「土地を手に入れるのにちゃんと相応の対価を支払ってるんだから、地代

    土地のレンタル料=地代の正当性を疑う - 経済学を疑え!
  • 遊んで暮らしたい人が学ぶべき搾取の原理 - 経済学を疑え!

    遊んで暮らす=搾取して暮らす 「マイは、遊んで暮らせるようになりたい?」 「もちろんよ。誰だってそうでしょ」 「そうかもねぇ。どうすれば遊んで暮らせると思う?」 「お金がたくさんあればいいでしょ」 「そうだね。どれぐらいのお金があればいいだろうか」 「うーん。最低でも、2億円ぐらい?」 「ふむ、じゃあ2億円としようか。マイが社会に出てから30歳になるまでほとんど寝ずに一生懸命働いて、2億円貯まったとしよう」 「ずいぶん稼いだわね」 「で、この2億円で後は遊んで暮らせるわけだけど、そういうのがお望み?」 「まさか! 私は働かないで暮らしたいの!」 「そうだよね。必要な2億円を自分で稼ぐんなら、50年かけて稼ぐのも10年ちょいで稼ぐのもあまり変わらないよね」 「そうよ」 「自分で稼ぐのでは意味が無い。だとすると、どうすればいい?」 「うーん……。他の人に、稼いでもらう……?」 「その通り。

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  • 通説の信用創造論を再考する - 経済学を疑え!

    はじめに 今回は、一般的に信じられている信用創造の説明を再検討してみようと思います。 現金の預け入れと現金での貸し付けを繰り返すとお金が増えていく、とするアレですね。 Wikipediaの「信用創造」の項では以下のように説明されています。 預金準備率が10%の時、銀行が融資を行う過程で以下の通り信用創造が行われる。 A銀行はW社から預金1,000円を預かる(そのうち900円を貸し出すことができる)。 A銀行がX社に900円を貸出、X社が900円をB銀行に預金する(そのうち810円を貸し出すことができる)。 B銀行がY社に810円を貸出、Y社が810円をC銀行に預金する(そのうち729円を貸し出すことができる)。 C銀行は729円をZ社に貸し出す。 つまり、最初は1000円しか無かったお金が、預け入れと貸し付けを3回繰り返した時点では1000円+900円+810円+729円=3439円に増え

    通説の信用創造論を再考する - 経済学を疑え!
    fnoithunder
    fnoithunder 2017/09/18
    なるほど「大部分流用制度」
  • アーリーリタイアした八さんと奴隷になった熊さん - 経済学を疑え!

    「今回は、前回のたとえ話の続きを考えてみよう」 「たとえ話って、熊さん八さんの?」 「そうそう。おさらいをしてみると…… 熊さん、八さんの二人だけが無人島で暮らしている 熊さんと八さんはお金を10カイずつ持っている 熊さんは一日に4匹の魚を捕り、うち2匹を2カイで八さんに売る 八さんは一日に4つの果物を採り、うち2つを2カイで熊さんに売る ある日から、八さんは魚を買う量を一日1匹に節約して貯金を始めた こんな感じだったね」 「ふむ。一日ごとに、八さんは1カイずつお金を増やして、熊さんは1カイずつお金を減らすのよね」 「うん。そして、10日後に熊さんのお金が無くなったところで、八さんは熊さんに10カイを貸してあげることにした」 「10日で1割の金利だったわね」 「そうだね。この条件で熊さんが10カイを借り、同じことを繰り返すとどうなるだろうか」 「うーん。同じことを繰り返すなら、また10日経

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    fnoithunder
    fnoithunder 2017/08/24
    貨幣の問題点の話。確かミヒャエル・エンデもそんなことを言っていたような
  • 金利の正当性を疑う - 経済学を疑え!

    「今回は、お金を貸して金利を取ることの正当性について考えよう」 「ふーん。なんで? お金を借りたら、利子をつけて返すのが当たり前じゃない」 「うーん、そうだよねぇ。でも、イスラム教なんかでは利子を取ることは禁止されてるよね」 「たしかに、そんな話を聞いたことがあるけど」 「旧約聖書に書いてあるんだよね。利子を取っちゃダメだって」*1 「ふーん」 「なぜ聖書は、利子を禁じたんだろう」 「さぁ?」 「たとえば、ある学校で『学校内で出前を取ってはいけない』という校則があったとしたら、どう思う?」*2 「学校で出前ってw 常識で考えればダメだって分かりそうなもんだけど、実際にとった人がいたんでしょうねw」 「そうだろうね。出前をとった生徒が実際にいて、問題になって、それを禁じる校則ができた、と考えるのが自然だよね」 「そうね」 「利子についても、共同体の中でお金を貸して利子をとる人達が実際にいて、

    金利の正当性を疑う - 経済学を疑え!
  • 政府が“本当に”借金を返すとどうなるか - 経済学を疑え!

    はじめに 今回は、政府が借金を返すと何が起きるのかを考えてみましょう。 政府が借金を返す方法は、税金を徴収して返すか借り換えるかのどちらかです。*1 この他に、政府が政府紙幣や一兆円硬貨などを発行して返すことも可能ではありますが、政治的に実現は難しそうです。 借り換えについては、返済を先延ばしにしているのと同じことであり、借金を“当に”返していることにはなりませんよね。 結局、政府が“当に”借金を返すには、税金を徴収して返すしかないわけです。 今回の記事では、政府が税金を徴収して“当に”借金を返すと何が起きるのかを、グリーンマネーのモデルで考えてみることにします。 国債を持っているのは公衆(企業や家計など)、銀行、日銀のいずれかですから、この3つに分けて考えましょう。 whatsmoney.hateblo.jp 公衆に対して“当に”借金を返すと 公衆が持っている国債を、政府が税金を

    政府が“本当に”借金を返すとどうなるか - 経済学を疑え!
    fnoithunder
    fnoithunder 2017/07/15
    「借金は返すのが当たり前!!」といっても政府だけは例外だけど。という原則を認めないとどうなるか、というお話。
  • 政府の借金はやっぱり返す必要が無い - 経済学を疑え!

    「政府が国民に借りた借金は返す必要が無いという話を前にしたけど、覚えてるかな」 「うーんと、どんな話だったっけ」 「盗賊から村を守るために、村を囲う壁を作る話だよ」 「あー、はいはい」 「村長は村人から合計1000万円借りて壁を作った。この壁は村人を盗賊から守ることで、村人の役に立っている」 「そうね」 「つまり、村長は村人のために1000万円を使ったわけで、村人は壁に守られることですでに受益してるよね。だから、質的にはこの借金を返さなくても帳尻は合っている」 「ふーむ。村人のお金を村人のために使っただけだからねぇ」 「そして、借金を返す場合には、村人から税金を徴収して返済に充てるしかない」 「村人から税金で1000万円集めて、その1000万円を村人に返すわけね」 「その通り。±0だから、税金を集めずに借金をチャラにしても大して変わらないよね」 「うん。そう言われればそうかなと思うけど、

    政府の借金はやっぱり返す必要が無い - 経済学を疑え!
    fnoithunder
    fnoithunder 2016/01/08
    非常に解りやすい!
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