新型コロナウイルス感染が世界中に拡大する中で、日本を含むアジア地域で報告されている感染による死者の割合は、今のところ欧米各国に比べて少ない。米紙ワシントン・ポストが「新型コロナのミステリーの一つ」として検証記事を組むなど、世界的に注目を集めているが、差をもたらす背景には何があるのだろうか。【岩崎歩、柳楽未来、小川祐希】 米メディアは「ミステリー」と表現 新型コロナウイルスの死者数は、地域で大きな違いがある。英オックスフォード大の研究者らが公表している「Our World in Data」によると、欧米では、人口100万人あたりの死者数が100人を超える国が少なくない(6日現在)。最も多いのは英国で593.1人。欧州の中では比較的少ないドイツでも103.2人だ。米国では3月以降感染者が爆発的に増え、329.7人に上る。 一方、アジア各国・地域はこれらの国と比べて2桁も少ない。比較的多い日本で