上空をヘリが旋回し、取材陣が見つめる殺風景なスタジアムでJリーグ史上初の無観客試合は行なわれた。春分の日の2日後、朝からとてもよく晴れた、いい天気の日だった。 ことの発端は、「JAPANESE ONLY」と書かれた1枚の横断幕だった。 その横断幕は3月8日の浦和レッズ対サガン鳥栖戦の試合前、埼玉スタジアム北ゴール裏、209番ゲートに垂らされた。隣りには日章旗がはられていた。 『日本人だけ』横断幕を貼った当事者が後日説明した(とされる)ところによれば、それは最近ゴール裏に顔を出すようになってきた外国人サッカーファン(あるいはレッズファン)に向けてのメッセージだった、のだそうだ。 曰く、応援の統制がとれなくなってきた、と。 言い逃れか本当なのかは知らないが、わかりやすく言えば、外国人さんがうざかったから、ということになる。 Jリーグの対応は迅速だった。5日後、新しく機構のトップに就任したばかり