11月のある爽やかな朝、高校生のマッテオ・クレモニは、クラスメイトたちと一緒にローマのポポロ広場の石畳に座って授業を受けていた。膝には教科書、教師はメガホンで声を張り上げている。野外授業をせざるを得ない訳は、彼らが通うタッソ高校が生徒たちに「占拠」されているからだ。 授業が終わると、クレモニも学校に戻り占拠運動に加わった。「僕たちはイタリアの教育革命に参加している。誰も僕たちの権利のために立ち上がってくれないから」と彼は言う。 タッソ高校はイタリアじゅうの学校を席巻している学校占拠運動のほんの1例だ。緊縮財政による教育予算カットで、学校環境は悪化する一方。怒りを爆発させた学生たちがローマでは25の高校、イタリア全土では200以上の高校や数々の大学を占拠している。11月半ばには生徒たちによるデモも行われ、警察との小競り合いで数十人が負傷し、多くの逮捕者が出た。 イタリアが教育関連に費やす予算