資生堂が大胆なトップ人事に踏み切った。昨年12月24日、同社は前田新造会長兼社長の社長兼務を解き、4月1日付で元日本コカ・コーラ会長の魚谷雅彦マーケティング統括顧問が社長に就くと発表した。6月下旬の定時株主総会を経て、正式に社長に就任する。前田氏は会長専任になるが、株主総会後に相談役に退く。 140年超の歴史を持つ資生堂で、役員経験のない外部の人間が社長に就任するのは初めてのことだ。社外からの社長登用について前田氏は24日の記者会見で、「社内にも社長を任せられる人材は育っている」としながらも、「今後、成長のためにマーケティングをしっかりやっていくことが大事との認識から、マーケティングを専門とする魚谷に決めた」と語った。その魚谷氏は会見で「マーケティングが中心になって経営が回る会社であるべきだ」と宣言した。 前田氏は2011年から会長を務めていたが、昨年4月、健康上の理由で退いた末川久幸前社