横浜市西区のマンションで、建物を支える杭が強固な地盤に届いておらず1棟が傾いた。発覚のきっかけは、渡り廊下の手すりのずれ。「誤差の範囲」という売り手の主張を崩したのは住民らの独自調査だった。 熊谷組が設計・施工し、住友不動産が販売した「パークスクエア三ツ沢公園」。住居棟5棟と共用棟1棟からなり、総数262世帯。2003年に完成した。 昨年3月のこと。大規模修繕にあたり、マンション管理組合から計画作りを依頼された望月重美1級建築士(58)は、住居棟2棟をつなぐ渡り廊下の手すりがずれていることに気づいた。「みっともないから直しては、と思った。傾いているとは想像もしなかった」と振り返る。