7月の有効求人数は前月比0.5%減と4か月ぶりに減少。新規求人倍率も前月から悪化し、新規求人数も前月比マイナス1.5%と減少した。こうした統計データを見るだけでも、雇用情勢が厳しいことは明らかである。 そして、より深刻なのが、「雇用の中身」だ。雇用者全体の数を見ると、7月は5613万人。1年間で約50万人増えている。ただし内訳を見ると、7月の正規社員数は3307万人で、6月の3324万人から1か月で17万人も減少している。第一生命経済研究所の首席エコノミスト・熊野英生氏がいう。 「財務省の法人企業統計を見ると『人員数(従業員+役員)』は減少傾向が続いています。ところが、総務省の労働力調査では『雇用者数』は増えている。なぜこんなギャップが出てくるのか。それは『人員数』の中に派遣社員が含まれないからだと考えられます。つまり、この差こそが非正規社員の増加を示している。『雇用者数』を押し上げている