シリーズ 第一夜 - id:ayakomiyamoto:20090615#p1 第二夜 - id:Geheimagent:20090615:p1 第三夜 - id:murashit:20090615:1245076327 第四夜 - id:Geheimagent:20090616:p1 第五夜 - id:nuba:20090616:1245119744 第六夜 - id:ayakomiyamoto:20090616:p1 第七夜 - id:llena:20090616:p1 第八夜 - id:tsumiyama:20090617:1245174738 第九夜 - id:dame_kana:20090617:p1 第十夜 - id:murashit:20090616#1245175093
来年も作りたい!ふきのとう料理を満喫した 2024年春の記録 春は自炊が楽しい季節 1年の中で最も自炊が楽しい季節は春だと思う。スーパーの棚にやわらかな色合いの野菜が並ぶと自然とこころが弾む。 中でもときめくのは山菜だ。早いと2月下旬ごろから並び始めるそれは、タラの芽、ふきのとうと続き、桜の頃にはうるい、ウド、こ…
第十夜 こんな勝間和代を見た。 赤いネオンサインがむこうにうすぼんやりと点っている。色ばかりで光がない。夜かと思うとそうでもないらしい。うしろの空には蒼白い光がながれている。日がくれたのか、夜があけるのかわからない。赤いネオンサインがぢぢぢと音をたてた。おれは人気のまるでない路地の暗がりに立っている。髪はびっしょりぬれて、うなじのあたりからぽたぽたと雫がたれている。足もとの水たまりをのぞきこむとおれの顔かたちがはっきりと見えた。勝間和代の話は上司から何度も聞かされたけれども、自分がその勝間和代になろうとは思いもよらなかった。名うての経済評論家にうまれかわって、こんなところにぼんやりと立っている。黒くぬれたアスファルトの上に立って、どうしていいかわからない。なぜこんなところに置かれたのだか、いったい夢なのだか現なのだか、そんなことはまるでわからない。 そのうちにネオンサインがまたたきはじめた
占い師「そなたに合う職業を、診断してしんぜよう。以下の20の質問に答えるがよい。 それぞれの特徴を知りたければ下の扉から行きなされ。 そうじゃ、バーチャルネットドラゴン ラルカ14歳くらい…では『竜術士占い』という占いもやっておるぞ。」 1.自己主張することが下手だと思う はい いいえ 2.常に未来に対して情熱を持っているほうだ はい いいえ 3.他人のためにしたことを感謝されないと悔しく思うことがある はい いいえ 4.嫌なことは嫌と、はっきり言える はい いいえ 5.人にはなかなか気を許さない はい いいえ 6.人から楽しい人とよく言われる はい いいえ 7.短い時間にできるだけ多くのことをしようとする はい いいえ 8.失敗しても立ち直りが早い はい いいえ 9.人からものを頼まれるとなかなかノーと言えない はい いいえ 10.たくさんの情報を検討してから決断をくだす はい いいえ
創作 外伝:其の壱 モヨコは六畳間で一朗に添い寝をしていた。一朗は幼稚園の遠足で疲れていたようで、夕食後、倒れるように眠ってしまった。モヨコは仰向けに寝転び、開いた襖から居間の天井の黒い点を見ている。その点は動いてるように見えて、ちっともそこから移動しない。虫なのか、ゴミなのか。気になって身を起こした瞬間、ベランダから冷たい突風が吹き込んだ。黒い点に見えた、クモの糸に絡んだ埃の玉が激しく震え、同時にサイドボードの上の写真立てが倒れた。モヨコは立ち上がり、倒れた写真を手に取る。二年前、海に行った時に家族で撮った写真。この直後、新しく赴任した直属の上司の付き合いで、モヨコの夫はキャバクラに通い始めたのだった。その頃から夫婦の営みも疎かになった。愛おしいような、憎らしいような気持ちでモヨコは二年前の夫の無邪気な笑顔を見つめていると、玄関のドアがトントントン、とリズミカルにノックされた。モヨコは咄
日記 | 21:07 | 僕はいわゆる変態性癖の持ち主でして、それはなんというか一般のごくありきたりの自慰や性交に興じるのみで事足りる人たちと比べると、ということでそりゃ僕などよりも特殊な性嗜好を持つ方はごまんといられるでしょうが、僕が自身で自覚しているところでは、僕は軽度のスカトロを愛好し、臭い(匂いじゃない)に性的興奮をおぼえ、アナルプレイをこよなく愛し、腋毛をたわわに蓄えた女性が好き、とかまあそういう、大方は人間の裡にある動物性をごく原初的な形で発露させただけ、というような、そう考えると普通にスケベなだけじゃん、ということになってしまうような、まあそういうところなのです。 それが、会社にバレた!会社に!バレ!た! バレたというかまあ個人情報の開示はごく最小限に留めているとはいえ、こういう場所でうんこがどうだのチンコがどうだのということを、実際にこの僕が経験した日常の出来事や実在す
第六夜 「森へ行ってはいけませんよ。森にはカツマカズヨが出ますからね」と、母が言う。自分はもう大きいので、カツマカズヨなんて少しも怖くないが、黙って聞いている。「お父さまが無事お戻りになるまでに、何かあったら困りますからね」母はそう付け加えた。 窓からは遠くに森が見える。今日のような冷え切った日の晩、森の方からときおり「ウィン…ウィン…」と不気味な音が響いてくる。村の人間に言わせれば、それは森の奥深くでカツマカズヨが啼いているからなのである。けれども、カツマカズヨの姿を見た者はまだ誰もいなかった。 月に一度、伯父が訪ねてくる。今日がその日だった。 女子供だけで家を守るのは大変でしょう、あなたはよくやってくれていますよ。伯父はそう母に声を掛け、ミカンや米などが入ったダンボール箱を玄関先に置く。自分にはきまって五百円の小遣いをくれる。 「伯父さまにお小遣いをいただいてよかったわね。それで遊んで
第七夜 虎ノ門の交差点に差し掛かるあたり、道路工事の照明以外には明かりはなく眠らない街といえども眠るのだなと、さっきまでいた新宿のネオンを少しだけ懐かしく思う。 思えば俺は何を目的に深夜の東京を彷徨っているのだろう。この脚が皇居の西側から外堀通りへ入り東の東京湾へ向かっていることだけは確かなのだが暇を持て余しているタクシーも使わず歩き続ける理由は何なのだろう。意地。一度歩き出してしまったのだからギリギリまで歩き続けて意地を張ってみたい。明確ではないにせよどうやらそういうことらしい。湿気を帯びた夜風を受けながら城壁のようなビルの谷間を歩いていると前方に寝静まらない明かりが見えた。どうやら新橋駅が近いようだ。 一気に隅田川まで歩いてしまうか、それともここで宿を探すか。この先の銀座界隈ではいまからチェックインできるような安ホテルもないだろう。一応目処だけつけておくことにして看板を頼りにビジネスホ
11:35 | 第五夜 勝間和代の白い頬が濡れた。雨であった。停車場の薄明かりを三歩離れると既に光は遠ざかり、和代は堪え切れず振り返った。小さな二つの光がみるみるうちに消えてなくなる。最終電車であった。 和代の黒髪が、商店の軒下の蛍光灯に照らされ、ときおりきらりと光を帯びて煌めいている。光は剛質の髪の波打つおもてをキラキラと舞うように漂っている。和代はその癖毛が嫌いであった。無機的なシャッターがどこまでも続くうらぶれた駅前通りのしじまにあって、その癖毛のきらめきは、混沌の沼に咲く一輪の蓮のようである。 そういう優雅さとは裏腹、和代は俯いていた。ほとんど泣き出しそうであった。眉間に皺を寄せ、頬はぐにゃりと変形して目尻を圧迫し、鼻はひん曲がっている。だんだんと、それが酷くなる。誰にも見せたことのない和代の泣き顔が、商店街を駆け抜けていった。ぴちゃぴちゃ、コツコツと、小さな和代の痕跡が通りに谺
第四夜 (ある人にとっては熟れ過ぎた果実のように見えるかもしれないが)勝間和代は、この世界において唯一ミネルヴァの化身という呼称に相応しい女である。彼女の顔には暗い森の奥からでも世界を見渡すことのできそうな力強い二つの眼が備わっており、胴体には難攻不落の要塞を守り続ける巨大なトーチカを思わせる豊かな乳房が存在を主張している。 彼女に面と向った男たちの多くが、彼女とまともに会話をすることができないのも、すなわち、彼女の乳房が男性が持っているはずであり、持っているべき、武器的なファロスを象徴しているからである。男たちは彼女の面前に立つだけで、生まれもっての男性性を奪われてしまうのだ。また、彼らの多くが彼女と目を合わせることすらできない。彼女の深く黒い眼の奥にある智慧が恐ろしいのである。一度、目を合わせてしまったならば、彼らはその深い闇のなかを、終わりのない螺旋階段を下りるようにしていかなくては
第二夜 こんな勝間和代を見た。 読み終えた本を持って図書館へと足を踏み入れると、いつもなら満席なはずの閲覧席には誰も座っていなかった。はっとしてあたりを見回すとカウンターのなかに職員すらおらず、どういうわけか自分がこの空間のなかにただひとりいることに気がついた。すると通いなれた図書館がどうにも知らない建物のように思えてくる。 さて、どうしたものだろう、としばし佇んでいると両脇を本棚に囲われて一層薄暗くなった通路の奥から、一条の光が細く零れているのが目に入った。近づいていくと、光は半開きになったドアの隙間から漏れている。隙間からドアの向こうを覗いてみると、その先は長いトンネルのようになっている。電灯などないのに不思議とそこは明るかった。しかし、その先に何があるかは見通すことができなかった。 「起きていることはすべて正しいのです」 トンネルの奥から、妙に凛々しい女性の声が響いてくるのが聞こえた
第三夜 こんな勝間和代を見た。 和代の室を退がって、廊下伝いに自分の部屋へ帰ると電球がぼんやり点っている。片膝を座布団の上に突いて、PCの電源を点けたとき、Windowsのロゴがディスプレイに浮かびあがり、同時に部屋がぱっと明かるくなった。 立膝をしたまま隠しフォルダを探すと、思った所に、ちゃんとあった。あれば安心だから、隠しフォルダをもとのごとく非表示にして、ウィンドウを閉じて、どっかりと座った。 あなたはビジネスマンよ。ビジネスマンなら悟れないはずないでしょうと和代が云った。そういつまでも悟れないところを見ると、あなたはビジネスマンではないんでしょうと言った。負け組だと言った。ははあ怒ったわねと云って笑った。口惜しければ悟った証拠を持って来なさいと云ってぷいと向をむいた。怪しからん。 隣の広間の床に据えてある置時計が次の刻を打つまでには、きっと悟って見せる。悟った上で、今夜また入室する
第一夜 こんな勝間和代を見た。 散髪に行った帰り道、自分の前を勝間和代によく似た女が歩いている。 こんな夕時の田舎町に勝間和代とは珍しい。自分は勝間和代には関心があるほうだったので、思い切って声をかけた。 「ちょいとお尋ねしますが、あなた、勝間さんじゃありませんか」 振り向いた女は、ほほほ、と笑うだけで、質問に答えようとしない。けれどもその笑い顔がいかにも勝間和代にそっくりだったので、やっぱりそうだ、これは勝間和代だ、黙っていたって自分にはわかるぞ、と思った。方向も同じだったので、自然と女と一緒に歩くような形になった。 しばらくは得意な気分で女の横を歩いていたが、そのうち、だんだんとじれったい気持ちになってきた。 「あなた、あれやってくださいよ、あれ。本当の勝間さんならご存知でしょう」 それを聞くと女は立ち止まり、にっこりと笑って言った。ようござんす、ただし決まりがあります。わたしがそれを
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