米国ウィスコンシン州グラフトン近郊の堰で釣りをする若者。(PHOTOGRAPH BY TODD BANNOR, ALAMY) 米国中西部の川では数十年来、灌漑や洪水の管理のために、コンクリートでできた高さ数メートルの堰(せき)が数多く利用されてきた。ただし、堰は一部の河川管理にかかわる人々から「溺死マシン」と呼ばれるほど危険な存在でもある。 堰の下では、急激に水流が落ち込んだ後、数メートル下流で上昇してきた水流が再び上流側の落ち込みへ引き込まれるという循環水流が発生する。この流れにはまると、水中に押し込まれて抜け出すのが困難になり、ライフジャケットもあまり役に立たない。 堰は上流側から見えにくく、米国では過去10年間に数百人が溺死している。米ブリガムヤング大学による2015年の研究によれば、アイオワ、ペンシルベニア、ミネソタの3州だけで全米の溺死者の実に3分の1を占める。なかでもペンシルベ
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