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ブックマーク / kyouki.hatenablog.com (10)

  • 短編小説11 『過去から来た少年』 - ICHIROYAのブログ

    photo by  Alfredo Mendez 「豊中市浜5丁目378番地へ行ってください」 後部座席の少年は、たしかにそう言った。 半ズボンをはいた少年は小学校高学年に見える。前髪を一直線に切りそろえて、どこか昭和の香りがした。 奇妙だった。 少年を拾ったのは、高速の下を走る幹線道路で、夜の9時半という暗闇の中にひとり、手を挙げていたのだ。 「わかりますか?」 「わかるとも。けど、なんで、古い番地で?」 少年はその問には答えず窓の外を見た。 知らないはずがない。そこは私が育った実家があった住所だし、55年間の人生の旅路を巡ったあとでもなお、籍地として記される住所だからだ。ただし、そんな番地を使ったのは何十年も前の話で、籍地として使う場合以外は、「15の7」と言うのが普通だ。 ともかく、私は後部座ドアを締めて、賃走のボタンを押した。 少年は布のトートバックを抱えている。時間から考えて

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  • そんなおっさんになりたくなかった - ICHIROYAのブログ

    誰がどう見ても、おっさんと言われる歳になった。 10代や20代のころ、まさか自分がおっさんになるとは思いもしなかった。 テレビに出てくるどこかの会社の偉いさんたち。 出世する連中のどこが偉いのかまったくわからなかった。 もっと、すごいこと、もっとわくわくすることがあるだろうと思った。 そんなおっさんになりたくなかった。 スーツ姿でひとりで飲んだくれて、就職活動をしている僕をつかまえ、営業で会社なんかに入るんじゃない。理系だったらなんで研究職にいかないんだとうるさくからんできたおっさん。 そんなおっさんになりたくなかった。 薄汚れた白衣を着て、誰も知らないような海洋微生物の資源量の研究をして、日が暮れたら院生と研究室で酒を飲んで噂話。モノクロの毎日。 そんなおっさんになりたくなかった。 毎日、7時半にきっちり帰ってくる父。 辞める辞めると言い続けて会社を辞めなかった父。 そんなおっさんになり

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  • アメリカ人たちの新たな戦い~~「洗濯物を外に干す自由を我等の手に!」 - ICHIROYAのブログ

    今朝はじめて知ったのだが、アメリカでは、洗濯物を屋外に干す自由がない。 国や州のレベルでそれを禁止しているわけではないが、地域のルールとして、あるいは地主家主との契約で、禁止されているという。 乾燥機で乾かすのが常識とされているが、エコとかサステナブルとか太陽光発電とか叫びながら、乾燥機で電気を使うのは馬鹿げている。 屋根の上に太陽光発電機を乗っけて、わざわざ太陽光を電気にして、その電気で大きな乾燥機を回して洗濯物を乾かす。 おいおい、それなら洗濯物を太陽の下に干したほうが、どれだけ効率的やねん! というわけで、さすがにそれは馬鹿げてるということで、「洗濯物を自由に干す権利を取り戻そう!」という運動が起きているようだ。 2009年ごろからいくつかの州で、「洗濯物を戸外に干すことを禁止することを禁止する法律」ができた。 が、話は簡単ではないようである。 かつては、アメリカ人だって洗濯物は外に

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    frivolousman
    frivolousman 2014/03/28
    家をもっているひとたちの多くは、「エコな生活」よりも、自分の物件が「洗濯物を干す」ような貧困層のひとたちの住む町にある、そのために自分の物件が安くみられる、ということを懸念する』/アメリカの同調圧力
  • 英語圏のかぶらない無料写真サイト10選 - ICHIROYAのブログ

    ブログを書いたり何かの印刷物をつくるときに、写真が欲しくなる。 いまでは様々な無料の写真が利用できるようになっていてとてもありがたいのだが、そういったサイトは無限にあるわけではなく、気に入って使った写真がかぶってしまう場合も多い。 僕はいつもFlickrを使わせてもらっているのだが、やはりよくかぶってしまうし、検索してもおなじ写真ばかり見ているような気もする。 たまたま、MediumにStock photos that don’t suck(いらいらしないストックフォト)という記事があり、英語圏でのフリー写真サイトが紹介されていた。 箇条書きにされていたのだが、それらのサイトを全部見てみた。 それぞれに、良さのあるサイトばかりで、これから使えそうだ(紹介しちゃうとまたかぶりそうだけどwww) 数が多くて検索機能もあるサイトはFlickrに近くて便利だけど、かぶるリスクがある。 数が少なくて

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  • 両親が80代になってはじめて知った9つのこと - ICHIROYAのブログ

    たいていのことは、学校やを読むことで学ぶことができるけど、ほんとうに大切なことは体験してみないとわからないってことも多いようだ。 僕が言っているのは、「老いる」ということ、「老いた両親をみる」ということについてだ。 僕は長男(妹がひとりいる)、嫁は一人娘だ。数年前に嫁のお母さんが亡くなるまで両方の親が存命で、いまもありがたいことに3人が生きてくれている。みんな80歳以上になった。 3人のうちふたりは認知症になった。 実際のところ、僕が失敗した便を始末しているわけではない。嫁のお父さんはうちの家にいて嫁がヘルパーさんに助けてもらいながらみているし、僕の母は父とふたりで住んでおり、父と妹が面倒をみてくれている。 僕には介護についてあれこれと偉そうなことを言う資格はぜんぜんないのだけど、体験してみてはじめてわかったこと、事前に想像していたこととは違うように思えたことがたくさんあった。 たとえば

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  • ただのおっさんが、54年間生きてきて、最高に幸せを感じた9つのこと - ICHIROYAのブログ

    なにも成し遂げていないと思われるおっさんって、いったい幸せなんだろうか? 心のなかは後悔と恨みと諦念ばかりで、そもそも、生きている価値なんてあんのか? 加齢臭漂わせてないで、早く席を開けてくれりゃいいのに・・・ って、若い連中には思われているに違いない。 いつも、自分の失敗ばかり記事にしていて、「過去ばかり振り返ってんな!」とか「過去を振り返っても何にも変わらないことがわからないのか!」などという言葉を投げつけられてきたのだが、反論せずにきた。 僕がそういう書き方をするのは、みんな不幸やトラブルの話のほうが好きだから、「過去の僕」をディスるほうが、読まれるチャンスが増えるからだ。 それに、実名のブログだし、成功談は自慢話になっちまうし、たった今、自分がビジネス上などで挑戦していることもまた、書けないのだ。 しかし、年末だし、もうクリスマスだ。 50数年を振り返って、僕が最高に幸せだったこと

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  • 努力と才能と夢と諦念の関係 - ICHIROYAのブログ

    人生は、運で決まると思っている。 夢なんて半分諦めてしまえ、とも思っている。 だけど、ちょっと書き足りていないことがある。 つまり、そう考える前提には、少なくともあとで後悔することがないよう、努力を尽くすということがある。 この「努力」という言葉は危険だから、なるべく触れずにきた。 「努力せよ」と言われれば、誰だって鼻白む。 そして、人生が運や才能で決まると言われれば、努力する気も萎えてしまう。 で、努力と才能と夢と諦念の関係を、もうちょっと書きたくなってきた。 Brandon Toddというトレーナーをご存知だろうか? 彼は、身長165cm。 だが、ダンクシュートができる。(最後の動画をどうぞ) 彼は子供の頃から、誰よりも早く走り、高く飛びたくて、様々な練習をした。 毎日200回カーフ・レイズ(ふくらはぎを鍛える運動)をやったらダンクができるようになるよと兄に言われて、その言葉を信じた。

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  • 経産省も知らなかった、古くて新しいもうひとつのクールジャパンがアメリカでブレイク?!(「テンカラ」が人気!) - ICHIROYAのブログ

    またひとつ、日の伝統文化がCOOL JAPANとして、海外でブレイクしつつある。 知る人ぞ知る文化である。 経産省のクールジャパン戦略とは無縁だが、明らかに人気化しつつあるのだ。 それは、「テンカラ」という日伝統の毛鉤釣りである。 さて、釣りをしないひとに、簡単に説明すると、「テンカラ」は、江戸時代もしくはもっと古くから続く渓流での釣法である。 たぶん、釣りをしないひとも、映画「リバー・ランズ・スルー・イット」などで紹介された「フライフィッシング」はご存知かと思う。 「フライフィッシング」も毛鉤を使う。 「テンカラ」は、日版「フライフィッシング」だ。 実は、僕も若いころ、一時、「フライフィッシング」に凝っていた時期がある。仕事のあと深夜まで毛鉤を巻いて、休みとなると深夜に起きだして、何時間も車を走らせて渓に向かった。 そのころ、もちろん、「テンカラ」という釣り方があることは知っていた

    経産省も知らなかった、古くて新しいもうひとつのクールジャパンがアメリカでブレイク?!(「テンカラ」が人気!) - ICHIROYAのブログ
  • 財政破綻したデトロイトの公共交通機関を救いつつあるのも、25才の若者だった! - ICHIROYAのブログ

    財政破綻したデトロイトでは、唯一の公共交通期間のバスが、予算のカットで、多くの路線は廃止され、市民の足に大きな影響が出ている。 先日、ギリシャを変えつつある若者たちの話を紹介したが、デトロイトでも、若者たちが立ち上がっていた。 デトロイトの破綻が確定する前まで、じつは、新たな公共交通機関システム、M-1路面電車というものが計画され、市民は大いに期待していたのだった。 が、この計画は、去年の1月、公式に頓挫した。 しかし、それを聞いて、ついに、ひとりの若者が立ち上がった。 デトロイト生まれの起業家、アンディ・ディドロシさん(Andy Didorosi)である。 彼は25才にして、すでにいくつかの事業(Paper Streat レンタルオフィスのようなもの, The Thunderdrome  地域のレースイベント、Wireless Ferndale など)を成功させている起業家だ。 デトロイ

    財政破綻したデトロイトの公共交通機関を救いつつあるのも、25才の若者だった! - ICHIROYAのブログ
  • 若者の失業率65%のギリシャを変えつつあるのは、やっぱり、若者たちだ!(ギリシャの希望の光がここに) - ICHIROYAのブログ

    先日、ギリシャの若者の失業率が、64.9%に達したというニュースがあった。 若者の3分の2が失業している社会ってどんなものなのか、日からは、ちょっと想像しがたいものがある。 若者たちは、ただただ、怒りに震え、デモをし、海外へ職を求めて国を去ってしまうのだろうか。 いや、そんなことはない。 今朝、こんな記事をみつけて、明るい気分になった。 People Power: Young Greeks Team Up to Combat Crisis (ピープル・パワー:ギリシャの若者たちが危機に立ちあがる) By Julia Amalia Heyer 若者たちの中に、今回の危機を乗り切ろうと、様々な自助努力を促す運動を始めるものが出てきており、それは、無料の医療だったり、灯の消えた街路に電燈をともしたり、公共部門の支出を監視したりしているそうだ。 この記事で紹介されているのは、Image the

    若者の失業率65%のギリシャを変えつつあるのは、やっぱり、若者たちだ!(ギリシャの希望の光がここに) - ICHIROYAのブログ
    frivolousman
    frivolousman 2013/08/15
    「たしかに、親の代のギリシャ人は、なかなか変わろうとせず、政府に頼って、未成年のように生きていくのが習い性になっている。」
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