「あっ博士、おかえりなさい」 博士が夕飯の買い出しから帰宅すると、奥から声がした。 「ただいま、アシモ。今日はいいものを買ってきたぞ」 アシモ。博士がそう呼んだのは、リビングのソファで寛ぎながらテレビを見ている一人の……もとい、一台のロボットだった。 「いいものってなんですか。この前みたいな臭いのはもう勘弁ですよ。センサーが壊れます」 「鮒寿司の件は悪かったよ。今回は曲者じゃない、高級品だ」 そういいながら、博士はアシモのスムーズな受け答えに満足した。 アシモは博士が長年の苦心の末完成させた2足歩行ロボットで、その名前は博士が幼い頃活躍していたロボットからとったものだ。先月完成したアシモは人間のように動き、人間のように受け答えする人工知能を搭載していたが、あいにく今の時代そんなロボットは五万といる。そんな中で博士が注力したアシモ最大の特徴は「人間の食べ物からもエネルギーを得られる」というと
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