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2016/07/19 3Dならではの表現をプラスしさらに進化したノンフォトビジュアル『GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-』 2Dアニメにしか見えない驚異のビジュアルでプレイヤーを魅了する本シリーズは、最新作『GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-』で、さらにその表現力を増している。今回は前号(CGWORLD vol.214)で紹介したエフェクト以外の要素にスポットを当てて紹介していこう。 ※本記事は月刊「CGWORLD + digital video」vol. 215(2016年7月号)からの転載となります TEXT_ 武田かおり EDIT_藤井紀明 / Noriaki Fujii(CGWORLD)、山田桃子 / Momoko Yamada プレイアビリティを阻害せず画の品質を向上させる 『GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-』は、2D
おもしろいゲームは何時間も続けてやってしまうので、時間泥棒である。 こうなると「ゲーム=悪い」と言いたくなってくる。しかし、それだけでいいのだろうか? 「ぼくたちは習慣で、できている。」では、やめるべき習慣をジャンルで決めつけることはできないと書いた。たとえばゲームでもプロゲーマーの梅原大吾さんのように、プレイごとにメモを取り、あらゆる方法を試し、フィードバックしていく。そんな真剣な取り組み方は、まさにプロのアスリートと変わらない。人生のすべてをそこから学んだと言えるようなものなら、どんな娯楽にも価値はあるのだろう。 良いか悪いかは人による。そして、自分にとってゲームはそこまで徹底してやってきたものではない。この「人による」「自分にとって」という言い方をもっとすっきりとさせられないものかと思っていた。 善悪の起源は「組み合わせ」 そこでスピノザの登場である。今放送中の「100分de名著」の
描写=画像表象の振る舞いを、言語(語や文)のそれに見立てる見解および、これに対する異論のサーベイです。具体的には、『芸術の言語』(初版1968, 改訂版1976)におけるNelson Goodmanの枠組みをめぐって、70年代に展開された論争の一部をまとめています。トピックとしては、以下でも参照する松永ドラフトへのフォローアップです。 1974年には『The Monist』誌、1978年には『Erkenntnis』誌で、相次いでLanguages of Art特集が組まれている。そちらでもうかがえるように本書のインパクトは凄まじく、名だたる論者たちが総出でこの本と格闘していたことが伝わってくる。 とりわけ、第一章が絵画の表象に関する分析から始まることによって、『芸術の言語』は今日の「描写の哲学」にとってのメルクマールとなった。John Kulvickiのような直接のフォロワーでなくとも、『
Davies, Stephen (2006). Authors' Intentions, Literary Interpretation, and Literary Value. British Journal of Aesthetics 46 (3):223-247. [PDF] スティーヴン・デイヴィスによるBJAの論文「作者の意図、文学の解釈、文学の価値」のまとめです。*1 「作者の意図と文学解釈」というホット・トピックにおいて、「価値最大化説」を定式化した重要論文です。同様の立場はそれ以前のDavies (1982)でも提唱されているが、その後出てきた諸ライバル理論を踏まえて書かれたのが本論文。この手の話題で参照されないことはない程度には定番の一本です。 〜〜ここまでのあらすじ〜〜 ウィムザット&ビアズリー(1946)「作者の意図はいりませーん!」【反意図主義】 バルト「作者は死ん
人は「文章に」ではなく「人に」お金を払いたかった 【東】これまでも人はコンテンツではなく、人間にお金を払ってきたんだと思うんです。ライター、言論人、なんでもいいんですが、みんな自分たちを「もの書き」だと思ってきた。なぜならば、いままでは文章を書くしか方法がなかったから。でも、人がお金を払いたかったのは「文章に」ではなく「人に」なんですよ。その意味で、しゃべるとか、動画っていうのはすごく向いてるんですよね。 文章の役割がなくなったということではけっしてないんだけど、すごい昔に戻れば、知識人だって街頭でしゃべる人間であって、文筆を生業としているわけではなかった。近代、新聞とか雑誌のシステムが普及していくなかで知識人は文章を書く人になった。そう考えると元の状態に戻ってるんじゃないかとも思うんですよね。こいつおもしろいぞっていう部分をいかに効率よく世界に届けていくか。 そのベースで集めたお金で取材
当社の規定により満60歳で定年退職をした。長いようで短かった会社員生活も一区切りだ。自分のプログラマとしての会社員生活を振り返ってみる。無駄に長いし結論はないのでお忙しい人は飛ばして欲しい。 9月末なのでブログ界隈では退職エントリーがそこかしこに書かれると思うが、その中で自分の退職エントリーを連ねることにどれほどの意味があろうか。もちろんないのだが、それでも多くの書き手の年齢を考えると満60歳定年退職というところに若干の希少価値を見出せなくもない。 1984年に大学院修了して以来、プログラマとしてのキャリアを重ねてきた。大学時代の同期でプログラマとして就職したものは皆無だ。当時、工学部の同期はメーカーに就職するのがほとんどで、大手家電メーカー、自動車メーカー、電力会社などなど、当時の誰でも名前を知っている人気企業に就職するものが大半だった。 その中で、日本ディジタルイクイップメント(DEC
ゲーマーの間では「最強」は可視化されるようになりました。便利で有用な面が大きいですが、これによる目立たない弊害がわずかにあります。一度文章にまとめたいと思いました。 「最強の可視化」は、対戦ゲーム(特に esports と呼ばれて扱われるようなタイトル)の最上位層・強弱の差が可視化したという意味です。 調べれば筆者と同様の論調は見つかりますが、「今後どうすべきか」提案で筆者の意見を出せればと思い記しました。今日はだいぶ曖昧なお話しなので、少しテキトーな口調に出来ればと思います。 背景:最強の可視化とは 以前、インターネットはなく、もしくは影響が少なかったため、人々は好きなことをしていました。一方で、良質な情報や上達するための正しい方法を手に入れるのは非常に難しいものでした。筆者も間違ったセレビィ入手裏技に踊らされ(註1)、暗黒王デスフェニックスを軸にしたデッキ(註2)の構築に独りで必死にな
0.はじめに 池上嘉彦「日本語話者における<好まれる言い回し>としての<主観的把握>」において池上は日本語における〈主観的把握〉の傾向について述べ、日本語話者が事態に臨場するような仕方で物事を捉えている(=〈主客合一〉)のではないかという仮説を展開した。この論は非常に興味深く、特に「おわりに」で試みられていた、〈主客合一〉を認知的なレベルにまで展開し、それによって日本の伝統美術にまで言及する論は多少の飛躍を感じさせたものの、一定の説得力も感じさせるのである。本稿では、池上嘉彦が論文の末尾で触れていたこの主観的把握の文化レベルへの拡張を西洋文化との対比の上で試みたい。 1.池上論文の振り返りまず、池上の論を軽く振り返っておく必要があるだろう。 池上嘉彦は「日本語話者における〈好まれる言い回し〉としての〈主観的把握〉」において、日本語における〈主客合一〉の傾向について語っている。 その例として
アニメーターたちは、いったいどうやって真っ白なキャンバスに生命を吹き込んでいるのでしょう。 パスカルを見て思わず笑ってしまったり、カールの心情に深く共感を覚えたり、恋を叶えようとひたむきにがんばるアリエルに憧れたり。ディズニーキャラクターたちは、まるで生きているかのようにみずみずしい感覚を与えてくれます。それはきっと、アニメーターの技術によるところが大きいはず。 その謎を解き明かすためには、まず、アニメーションにおける12の原則を理解しておく必要があります。ウォルト・ディズニー・スタジオに在籍していた2人の伝説のアニメーター、オーリー・ジョンストンとフランク・トーマスによって有名になった12の原則。現在でも、アニメ業界を志す人々は全員学んでおかなくてはならない基本中の基本とされています。 オーリーとフランク、実は『Mr.インクレディブル』(2004)の最後にカメオ出演しています。(そうです
週刊少年ジャンプ・ジャンプSQ.・少年ジャンプ+編集部は、2020年度より、漫画家を対象とした創作講座「ジャンプの漫画学校」を開講しています。 第1期の全10回の講義より、一部を抜粋し、本ブログで順に公開していきます。 今回は「作家編①」から松井優征先生の講義の一部を紹介いたします。 松井先生が語って下さったノウハウや考え方が、クリエイターの皆様の漫画制作の一助になれば幸いです。 【講師】 必ず身に着くテクニック「防御力」! 松井 漫画では「面白さとは何だろう?」といった問題が常に付きまといます。一昔前の編集さんは「面白ければ何でもいい」と言い、では面白いとは何かと聞くと「人それぞれだよ」という人が多かったです。皆さんはそういう人の言うことを聞いてはいけません。「面白い」とは何なのか、それは作家も編集も本人なりに言語化できないといけません。 そこでまず説明したいのが「防御力」です。 松井
人生は選択の連続。inst&歌詞→https://piapro.jp/frog96mylist/70207950
マンガのコマ割りの個人的な研究メモ 1.前書 実作にかかろうとしたが,その前に研究の必要を感じた.つまり,現実逃避だが,現実逃避にしてもまだ生産的なほうだろう. なぜ研究の必要があるのか. ただ映像作品の絵コンテを画面に割当てればいいなら,問題はない. 長期連載の青年マンガは一般にそうだ. この方法論でとくに優れているのは弘兼憲史で,機知に富んだ人物描写,洒落の利いた台詞回し,含意に満ちた物語,という良質な作品を量産した.(どのような作品か? 都会派,大人の読みもの,新聞に連載されているような,etc…) だが、それでは足りないのだ. 絵コンテとマンガの差異は,マンガは1つの画面にコマを割当てなければならないことだ. つまり,画面の資源配分の財政学が必要になる. 端末機器で縦スクロールによる表示が可能になった.技術革新のためだ. が,一定の規模の画面ごとにコマを割当てるという方法論は,いま
お久しぶりです。因果です。 本を読んだり映画を観ていたりしていたら、いつの間にかVOCALOIDが遠ざかりつつあったので、急いで駆け寄りました。これはその駆け寄りの記録になります。4万字弱あるので好きなところだけ読んでいただければそれだけでもう十分です。 また、本記事はobscure.氏主催の #ボカロアドベントカレンダー2020 という企画の一環として執筆させていただいた。この企画が始まって以来、どの記事も興味深く拝読させていただいているが、どれもこれも会心の出来ばかりで私も頑張らなければという焦燥に駆られた。ぜひ他の記事も読んでいただきたいと思う。 adventar.org adventar.org それでは始めます。 はじめに VOCALOIDの全体性を試論するにあたって、リリックという問題は意外にも忌避されてきたように思う。サウンドや市井からの受容をめぐる問題意識は年を追うごとに豊
2010年代前半にブームとなった「ボカロ小説」が2020年になって再び注目を集めている――ただしかつてとはやや違うかたちで。 ■そもそもボカロ小説とは? ボカロ小説とは、基本的には「ヤマハが開発した合成音声ソフト・ボーカロイド(代表的なものは初音ミク、鏡音リン・レンなど)を用いてつくられた楽曲を原作とする小説」のことだ。 事実上の嚆矢は2010年に刊行された悪ノP(mothy)による『悪ノ娘 黄のクロアテュール』(PHP研究所)。 ボーカロイドを使った曲自体は、初音ミクが2007年に発売されると、前年にサービスが開始してネット民を惹きつけていた動画投稿サイト「ニコニコ動画」でブームとなり、2020年現在に至るまで、ボカロ文化は数々の名曲と数多のクリエイターを輩出している。 その盛り上がりのなかで、物語性の高い楽曲が投稿され始める。初期の注目作が2008年4月に投稿された悪ノP「悪ノ娘」「悪
Helixes Inc.のメンバーやそのマインドについて発信していく「Helixes.log」。 今回のゲストとしてお迎えするのは、CGやモーショングラフィックスを主軸としたクリエイティブエージェンシー「SIGNIF」代表の荒牧康治さんと、フリーランスのデザイナーで映像作家の千合洋輔さん。 彼らとともに『ダーリン・イン・ザ・フランキス』のOPなどを制作した、maxilla(Helixesのクリエイティブ事業部)のディレクター・神谷雄貴が、モーションデザイナーとしてアニメ作品に関わる意義をテーマに語り合います。 アニメOPとモーショングラフィックスの接近 ーアニメーション作品に関わるようになったきっかけを教えてください。 荒牧康治(以下、荒牧) モーショングラフィックスを始めた時から、海外のモーショングラフィックスの文脈だけではなく、日本のアニメの独特なケレン味の効かせ方を自分の映像に活かせ
Official髭男dismの大ヒット曲「Pretender」を同性愛から読み解く JPOPと「クィア・リーディング」の可能性 「クィア・リーディング」とは何か Official髭男dismは、2018年の「ノーダウト」でのヒットから、にわかに注目されているバンドである。「ノーダウト」はブルーノ・マーズのJPOP的受容といった感触の佳作であったが、セカンドの「Pretender」では、ボーカル藤原聡の圧倒的な歌唱力に多くのリスナーが驚かされることになった。 同曲はビルボード・ジャパンのストリーミングチャートで、本稿執筆時点において15週連続1位をキープしている。しかもKing Gnu、あいみょんを抑えてトップ3を髭男の曲が独占する人気ぶりであり、「Pretender」がいまもっとも広く聴かれている音楽であることは疑いない。 本稿では、この「Pretender」を「クィア・リーディング」とい
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