「戦争を行うためには戦争語で会話することが必要で、日本語では戦争ができない」と山本七平が書いていたけれど、様々な業界に、業界ごとの「専門語」というものがあるのだと思う。専門語をしゃべれない人は、専門家の輪に加われないし、専門語をしゃべれない人が、会話語で現場を指揮すると、プロジェクトは業界を問わず、似たような経過をたどって失敗してしまう。 放水が成功した 原発に対して連日のように放水が繰り返されていて、今のところは「成功している」という言葉が、政府の側から発信された。 現場の頑張りは、疑いようもなくすごいことなのだけれど、現場が神がかり的にがんばって、その成果がたしかに「成功」と判断されて、それでもなお、現場の人たちの頑張りが、どんな形で最終的な状況の収拾に貢献しているのか、それが今ひとつよく分からない。現場はがんばっています、放水それ自体は成功です、という発表はもちろん喜ばしいのだけれど