(東京)安倍晋三首相の中央アジア歴訪は、域内全体の劣悪な人権状況に懸念を示し、改善の重要性を強調する好機だと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。不当に投獄された人びとを釈放し、人権団体やジャーナリストが妨害されることなく活動することを認め、拷問の責任者の不処罰を改めることは、中央アジア各国首脳が行うべき仕事に数えあげられるべきだ。 2015年10月22日からの訪問に先立ち、ヒューマン・ライツ・ウォッチは安倍首相宛に書簡とブリーフィングメモを送り、各国政府高官との会談で特に憂慮を示すべき分野を提示した。具体的には、政治的動機に基づく人権活動家や市民運動家の訴追や投獄、NGO活動への弾圧、報道・集会・結社の自由への締め付け、拷問の不処罰などだ。 「中央アジアの抑圧的な指導者、そしてこの地域の多くの被害者たちも、日本の対中央アジア政策の中で人権は重要な要素であるとの発言を耳にする必要があ
(バンコク)ビルマのテインセイン大統領は基本的人権を侵害する2法案への署名を拒むべきだと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。2015年8月21日、上下両院合同議会で改宗法と単婚法が通過した。この2法案は4法案からなる通称「民族・宗教」法案の一部だ。一連の法案は宗教に基づく差別を確立し、国際的に保護されているプライバシーと信教に関する権利を侵害するものである。 「この2法案を通過させることで、国会は基本的人権を無視し、緊張状態にある国内の宗派間関係を煽る危険を冒している。他方で、画期的な総選挙を前に、既にもろさを露呈している民主化移行プロセスを危機にさらしてもいる」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長代理フィル・ロバートソンは指摘した。「一連の差別立法は反ムスリム感情を煽るものだ。テインセイン大統領は強固なリーダーシップを発揮して人権を擁護し、法案署名を拒否すべきだ。」 この
(ニューヨーク)— 中国政府当局は、旅券発給の際に二層制度 (two-track system)を導入している。これにより、主に宗教的少数派が占める地域の住民ほぼすべてが、移動の自由を極度に制限されている、とヒューマン・ライツ・ウォッチは本日発表の報告書内で述べた。この差別的な旅券発給申請制度は、当該地域の住民に、他市民とは比べ物にならない量の書類提出を義務づけるものだ。2012年以来、チベット自治区(TAR)では更なる規制が加えられ、政府関連の出張を除いては、海外渡航がほぼ禁止の状態にある。 「中国当局は速やかに、この露骨に差別的な旅券制度を撤廃すべきだ」とヒューマン・ライツ・ウォッチの中国部長ソフィー・リチャードソンは述べる。「またこの規制は、宗教的少数派を国外での巡礼に参加できなくしたり、制限したりするものだ。これは信教の自由に対する違反である。」 報告書「ひとつの旅券、ふたつの制度
(ワシントンDC)アジア開発銀行(ADB)と出資各国は、来週開かれる同銀の年次会合でアゼルバイジャン政府に対し、活動家と独立系団体の弾圧停止を強く求めるべきだと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。国際金融機関の1つであるアジア開発銀行(本部マニラ)は、2015年5月2日~5日にアゼルバイジャンの首都バクーで第48回年次総会を開催する。 ADBには、透明性、影響を受ける人びとの参加、そしてアカウンタビリティが持続可能な開発の鍵であるとの認識がある。しかし今回の年次総会は、アゼルバイジャン政府が政府を批判する独立系組織に前例のない弾圧を加えるなかで開催されることになる。 「ADBは、政府から独立した人びとの発言をアゼルバイジャン政府が激しく弾圧するなかで、同国で開催される」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチの国際金融機関担当上級調査員ジェシカ・エヴァンスは述べた。「同行幹部は原則を曲げる
(ニューヨーク)-タイ国軍は戒厳令による不正な権力を放棄し、検閲を停止し、恣意的に拘禁した全員を釈放すべきだと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。軍はただちに民主主義に基づく文民統治を復活させるべきである。 2014年5月22日のクーデター以来、国軍の全部門と警察からなる国家平和秩序評議会(NPOMC)は、与野党の政治家、活動家、ジャーナリストのほか、退陣させられた前政権の支持者とされる人びと100人以上を拘束した。一部は釈放されたが、軍はニワットタムロン首相代理など155人にも出頭を命じている。出頭に応じないと逮捕・訴追の可能性がある。また対象者は国外に出ることができない。 軍は大規模な検閲を実施し、国内の放送や出版、電子メディアに大幅な規制をかけている。NPOMCは夜間外出禁止令(午後10時から朝5時まで)を実施。5人以上の集会も禁じた。軍当局は親政府派の反独裁民主統一戦線(U
(ニューヨーク)-中国政府は著名な人権弁護士の浦志強氏に対する刑事立件を速やかに取り下げ、ジャーナリストの高瑜氏の所在を明らかにしたうえで、ほか同様に1989年6月4日に起きた天安門事件を記念する研究会に出席して拘束された活動家たちを釈放すべきである、と本日ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。政府は虐殺から25年の節目を迎えるにあたって、これ以上人権活動家を沈黙・失踪させたり、拘禁すべきではない。 ヒューマン・ライツ・ウォッチ中国部長のソフィー・リチャードソンは「これらの刑事立件や拘禁は、中国政府の人権に対する態度が1989年からほとんど変わっていない現実を如実に物語る」と述べる。「安定した社会とは、歴史と真相究明をめぐる平和的な議論が認められるところに存在する。議論が叩き潰されたり、犯罪とされるところには実現しない。」 2014年5月3日に浦志強弁護士ら10数人の活動家が天安門事件に関
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