―多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告― 私たちは、いろいろな生活習慣と、がん・脳卒中・心筋梗塞などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防と健康寿命の延伸に役立てるための研究を行っています。平成2年(1990年)に長野県佐久保健所管内の南佐久郡8町村(1990年時点)にお住まいだった、40~59歳の約1万2千人のうち、平成26-27年(2014-15年)に行った「こころの検診」に参加した1,181人の追跡調査にもとづいて、魚介類・n-3不飽和脂肪酸(=n-3系脂肪酸)摂取とうつ病との関連を調べた結果を専門誌で論文発表しましたので紹介します(Translational Psychiatry 2017年発行)。 近年、適切な栄養を摂取することは、うつ病の予防法の一つとして注目されており、栄養の中でも魚、特に青魚に多く含まれるn-3系脂肪酸とうつ病の関連を調べる研究が欧米