金日成が死去した当時、平壌の市民を映すテレビをバイト先で昼休みに見ていた。 嘆き悲しんだり、後を継ぐ息子の金正日に期待すると言っている市民を見て、職場の同僚らが「あの国は変わっているんだ」「そう思うように国民は教育されてるのよ」とか言う。 だから「あんな人たちも実際にいるだろうし、そうでない人たちもいるはずだけど、そこから選び出して撮影したものを朝鮮のテレビは放送してるだけでしょう。日本だって昭和天皇が死んだ時にそうだったんだから」と言った。 そうしたら皆ぽかんとし、そこで一人のパート主婦だけが黙って頷きながら「そうよね」と目で相槌した。