海底下2キロメートルの石炭層に倍加時間が数百年以上の微生物群を発見 ~メチル化合物を食べながら海底炭化水素資源の形成プロセスに関与~ 1.概要 国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦)高知コア研究所地球深部生命研究グループの諸野 祐樹 主任研究員、井尻 暁 主任研究員、星野 辰彦 主任研究員及び稲垣 史生 上席研究員は、米国カリフォルニア工科大学と共同で、地球深部探査船「ちきゅう」を用いた統合国際深海掘削計画(IODP、※1)第337次研究航海「下北八戸沖石炭層生命圏掘削調査」により、青森県八戸市の沖合約80kmの地点から採取された海底下約1.6 kmの泥岩層(頁岩、※2)と約2.0 kmの石炭層(褐炭、※3)に生息する地下微生物の代謝活性を、超高分解能二次イオン質量分析器(NanoSIMS、※4)等を用いて分析しました。その結果、泥岩層や石炭層に含まれる成分であるメチル化合物
2017年 6月 5日 国立研究開発法人海洋研究開発機構 国立大学法人高知大学 国立大学法人茨城大学 国立大学法人筑波大学 本州近海に位置する拓洋第3海山の水深1500m~5500mの斜面に 厚いコバルトリッチクラストの広がりを確認 ~成因モデルの普遍化から低コスト、高効率な調査手法の開発へ~ 1.概要 国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という。)、国立大学法人高知大学(学長 脇口 宏、以下「高知大学」という。)、国立大学法人茨城大学(学長 三村 信男)及び国立大学法人筑波大学(学長 永田 恭介)は共同で、戦略的イノベーション創造プログラム(※1 以下、「SIP」という。)の課題「次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)」の一環として、拓洋第3海山の北斜面において、将来の鉱物資源として有望とされるコバルトリッチクラストの調査を実施しました(※2)。
深さ約1,000mの海底にある深海熱水噴出域周辺で、微弱な発電現象を確認しました。無人探査機「ハイパードルフィン」による現場計測と、採取試料を用いた室内実験から明らかになりました。今回紹介するのはこちらです。 深海熱水系は「天然の発電所」 深海熱水噴出孔周辺における自然発生的な発電現象を実証 ~電気生態系発見や生命起源解明に新しい糸口~ 論文タイトル Spontaneous and widespread electricity generation in natural deep-sea hydrothermal fields. 沖縄トラフの深海熱水噴出域で電気化学計測を行うとともに、試料を採取した。 現場計測と採取試料を使った室内実験から、深海熱水噴出域では、海底下の熱水に含まれる硫化水素から電子が放出されて、海底を伝わり、海水中の酸素に渡される反応が起きて、電気が流れていることがわかっ
1.概要 国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦)高知コア研究所断層物性研究グループの廣瀬 丈洋グループリーダー代理は、韓国のソウル大学校、慶尚大学校及び安東大学校と共同で、地殻の主要構成鉱物である石英を主成分とする珪岩を用いて地震性高速すべり実験を行った結果、断層すべり面で発生する摩擦発熱によって、石英が従来考えられていたより約220~370°C低い温度で熔融することを明らかにしました。 地震時には断層が秒速数メートルの高速ですべりますが、そのすべり面で発生する摩擦発熱によって岩石が熔融する断層摩擦熔融現象は、巨大地震発生メカニズムの1つとして注目されてきました。そのため、地殻の主要構成鉱物の1つである石英が従来考えられていた温度より低温で摩擦熔融することが実験によって確認されたことは、巨大地震の引き金となりうる摩擦熔融時にはより断層がすべりやすくなることを示唆しており、地震
深海熱水系は「天然の発電所」 深海熱水噴出孔周辺における自然発生的な発電現象を実証 ~電気生態系発見や生命起源解明に新しい糸口~ 1.概要 国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という。)海底資源研究開発センターの山本正浩研究員と国立研究開発法人理化学研究所環境資源科学研究センターの中村龍平チームリーダーらの共同グループは、沖縄トラフの深海熱水噴出域において電気化学的な現場測定を行った結果、深海熱水噴出域の海底面で発電現象が自然発生していることを明らかにしました。 深海熱水噴出孔から噴き出す熱水には硫化水素のように電子を放出しやすい(還元的な)物質が多く含まれています。また、この熱水には鉄や銅などの金属イオンも大量に含まれているため、海水中に放出される過程で冷却されて硫化鉱物として沈殿し、周辺に海底熱水鉱床を形成します。研究グループは、海底熱水鉱床の硫化
1.概要 国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」)アプリケーションラボのパスカル・オエットリ(Pascal Oettli)特任研究員、森岡優志研究員、山形俊男上席研究員は、西アフリカのダカール沿岸に発生する地域的な大気海洋結合現象を世界で初めて発見し、「ダカール・ニーニョ/ニーニャ」と命名しました。 西アフリカのダカール沿岸では、一年を通して北東から吹く貿易風と地球の自転の影響を受け、海水が沖合に運ばれ、それを補うように海洋内部から冷たい海水が湧昇しています(沿岸湧昇)。この付近は海洋内部から栄養塩が運ばれ、豊かな漁場として知られる一方、時にこの海面水温が大きく変動し、海洋生態系に大きな影響を及ぼす年があることが報告されています。しかしながら、その変動の原因はこれまで調べられてきませんでした。 研究グループでは、1982年から2011年までの過去30年間
2015年 12月 3日 国立研究開発法人海洋研究開発機構 国立大学法人名古屋大学大学院環境学研究科 国立大学法人東京大学大気海洋研究所 国立研究開発法人海上技術安全研究所 1.概要 国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という)アプリケーションラボの宮澤泰正グループリーダーらは、国立大学法人名古屋大学(以下「名古屋大学)、国立大学法人東京大学大気海洋研究所(以下「東京大学大気海洋研究所」)、国立研究開発法人海上技術安全研究所(以下「海上技術安全研究所」)と共同で、これまで海流予測モデルのデータ同化*1に使用していた海洋観測データとは全く異なる種類のデータであるオオミズナギドリ*2の位置情報と内航貨物船*3の航行記録を活用することによって海流予測の精度が向上することを示しました。 JAMSTECアプリケーションラボで開発し、今回の実験に使用した海流予測モ
AUV搭載式3Dレーザースキャナーによる海底熱水域の可視化に成功 ―「海のジパング計画」による技術開発が新たな資源調査手法を確立― 1.概要 国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という。)海洋工学センター海洋技術開発部の石橋正二郎主任技術研究員らの研究グループは、内閣府が進める戦略的イノベーション創造プログラム(SIP:※1)の課題の一つである「次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)」において開発を進めている、自律型無人探査機(AUV)搭載式3Dレーザースキャナーを用いて、伊豆大島南方約20kmの大室ダシ・大室海穴内部にある海底熱水噴出域の3D可視化に成功しました。 大室海穴では、3Dレーザースキャナーを搭載したAUV「おとひめ」が大室海穴内部を高度保持しながら自律航行することにより、数十センチ規模のチムニー(熱水の成分が沈殿して形成される煙突状の
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