箱嶋敏雄教授*ら(奈良先端科学技術大学院大学)、半田宏特任教授*ら(東京医科大学)および柴田哲男教授ら(名古屋工業大学)の共同研究グループは、40年近くもの間詳細が不明であったサリドマイドの催奇形性(胎児に奇形が起こる危険性)にまつわる問題をついに分子レベルで解明することに成功しました。今後、催奇形性の無い安全なサリドマイド型治療薬の開発が期待されるほか、新規治療薬の開発に向けての大きな足掛かりになることが期待されます。なお、本研究成果は、2018年1月22日に科学誌「Scientific Reports」のオンライン速報版で公開されました。(*責任著者) 背景 サリドマイドは1950年代に催眠鎮静薬として販売された医薬品で、妊婦が服用すると奇形児が生まれるケースが相次ぎ、その使用が中止されました。そのサリドマイドは現在、多発性骨髄腫の治療薬として再認可され世界中で使用されていますが、再認