ビールに含まれる成分に筋肉の萎縮を抑える効果があることが、徳島大の寺尾純二教授(食品機能学)らの研究で分かった。食品や薬に応用することで、寝たきりなどの防止につながることが期待できるという。19日付の米オンライン科学誌「プロスワン」に発表した。 寝たきりなどの原因とされる筋肉の萎縮の治療法は見つかっておらず、運動やリハビリで防ぐしかない。寺尾教授らは、さまざまな植物に含まれるフラボノイドなどの成分に筋肉の萎縮を抑える効果があるか調べた。 疑似的に寝たきり状態にしたマウスを使った実験で、ビールの原材料のホップに含まれるフラボノイド化合物が入った餌を与えたところ、筋肉量がほとんど落ちなかった。餌を与えていない個体は1割程度、筋肉量が落ちたという。 このフラボノイド化合物はビールの製造過程やビールを飲んだ人間の腸内で生成される。ただ、ビールだけで効果を得ようとすると、毎日数十〜数万リットルを飲む