東日本大震災の被災地で、自宅が全壊するなど住まいの被害が大きかった高齢者ほど、震災後に認知症の症状が悪化していたことが、千葉大学など日米の研究グループの調査でわかりました。研究グループは、住み慣れた家を離れ、住民どうしのつながりが薄れたことが、認知症の悪化に影響したのではないかとしています。 回答を得たおよそ3600人のうち、認知症の人の割合は、震災前には4.1%でしたが、震災後は11.5%に増加していました。 これらの認知症の高齢者を対象に、症状の悪化の度合いに違いがあったのか、要介護度認定のもとになる点数を使って、統計学の手法で分析したところ、被害がなかった場合と比べて、自宅が全壊した人は0.29、大規模半壊した人は0.12、点数が高く、自宅の被害が大きかった高齢者ほど、症状が悪化していたことがわかったということです。 ハーバード大学の引地博之研究員は「住み慣れた家を離れ、住民どうしの