あなたは自分の記憶にどれくらいの自信があるだろうか? 思い違いや勘違いは誰にでも起こりうるが、まったく事実無根の記憶であるにも関わらず、本人が事実であると思い込んでしまう「フォールスメモリー」という症状があるのはご存知だろうか? 1993年のイギリスで、ある青年がカトリックの高名な神父に「性的虐待を受けた」として訴訟をおこした事件があるが、調査の結果、青年のフォールスメモリであったことが判明した。この事件をきっかけに記憶違いによって起こる訴訟が欧米では数多く報告されるようになったが、訴訟をおこした本人には妄想などの精神疾患はなく、あくまで健常者であることからイギリスやアメリカではフォールスメモリに関する協会まで設立されるようになった。なぜ、「普通の人」がこのような記憶違いを起こしてしまうのか、背景には精神分析や催眠療法などのセラピーが関与していることが考えられている。 フォールスメモリーは
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