ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (15)

  • ヘリコプターマネーは常に効く - himaginary’s diary

    Willem Buiterが「The Simple Analytics of Helicopter Money: Why It Works — Always」という論文を書いている(FT Alphaville経由のEconomist's View経由)。 以下はその要旨。 The author provides a rigorous analysis of Milton Friedman’s parable of the ‘helicopter’ drop of money – a permanent/irreversible increase in the nominal stock of fiat base money rate which respects the intertemporal budget constraint of the consolidated Central

    ヘリコプターマネーは常に効く - himaginary’s diary
    fugufugu
    fugufugu 2014/08/26
  • データマイニングが有用な時 - himaginary’s diary

    データマイニングは、最も当てはまりの良い回帰式を恣意的に拾い上げる慣行につながるという点で経済学では評判が悪いが、正しく使えば有用、とオックスフォード大の2人の研究者(Jennifer L. Castle、David F. Hendry)がこちらのvoxeu記事に書いている(H/T Economist's View)*1。 記事ではまず、最も単純なデータマイニング手法として、有意性の高い順に説明変数を一つずつ追加していく、という手法を挙げている。そうした1-step forward search algorithmsと呼ばれる手法は、非有意になった変数の除去と組み合わせたり(=段階的回帰[stepwise regression];別名unwise regression)、推計された係数の大きさに制約を掛けたり(=Lasso)、といったバリエーションがあるが、経済学ではまず上手く行かない、と

    データマイニングが有用な時 - himaginary’s diary
    fugufugu
    fugufugu 2014/08/17
  • 突然資源国になったらどうすべきか? - himaginary’s diary

    ある国で石油資源が見つかったことをエネルギー相が財務相に知らせる、という仮想的な状況を描いたエントリがIMFブログに上がっている(H/T Mostly Economics)。著者はSanjeev GuptaとEnrique Floresで、2人がAlex Segura-Ubiergoと共に書いたIMFスタッフディスカッションノートの解説記事になっている。 記事では、資源の呪いを回避できるような堅牢な制度が確立していない国では、資源からの収入を国民に直接配ってしまえば良い、と主張するXavier Sala-i-MartinとArvind Subramanianの論文を俎上に載せている。同論文の主旨は、直接分配のメカニズムによって非効率ないし腐敗した予算制度が迂回されるほか、分配した資源からの収入が税金を通じて政府に再吸収されれば、その使い道についての政府の説明責任を求める国民の声が高まる、と

    突然資源国になったらどうすべきか? - himaginary’s diary
    fugufugu
    fugufugu 2014/06/16
  • ビットコインは貨幣に非ず? - himaginary’s diary

    ビットコインを巡ってクルーグマンが幾つかエントリを書いているが、彼の見解は、貨幣として見た場合に価値貯蔵の機能が脆弱ではないか、という12/28付けの最初のエントリでの疑問に尽きているように思われる*1。その点について科学技術者に問い質した時の話を彼は以下のように書いている。 I have had and am continuing to have a dialogue with smart technologists who are very high on BitCoin — but when I try to get them to explain to me why BitCoin is a reliable store of value, they always seem to come back with explanations about how it’s a terrif

    ビットコインは貨幣に非ず? - himaginary’s diary
    fugufugu
    fugufugu 2014/01/06
  • 合理的政治人としての岸信介 - himaginary’s diary

    年末年始に何となく手元の岸信介に関するを幾つか*1眺めていたら、この人は基的に、一般に思われているような単なる権力志向の右翼政治家ではなく、所与の前提下で最適な政治解決策を求める、という、ある意味非常に学校秀才的な合理的行動を取る人だったのではないか、という気がしてきた。ただしその際、目的至上主義に走る余りルールを枉げることも辞さず、というスタンスが色々問題を呼んだように思われる。 以下、そうした観点から彼の行動を簡単にまとめてみる。 満州 満州国が建国されたという前提下で、最適な経済の仕組みを策定 「出来栄えの巧拙は別として、ともかく満州国の産業開発は私の描いた作品である」という有名な台詞にあるように、官僚の枠を超えて自由に腕を振るった 戦時経済 戦時経済という前提下で、最適な経済の仕組みを策定 場合によっては上司たる小林一三大臣との衝突も辞さず 人もその時は官僚としての振る舞いを

    合理的政治人としての岸信介 - himaginary’s diary
    fugufugu
    fugufugu 2014/01/06
  • キャリー - himaginary’s diary

    といってもリメイクが作られたデ・パルマの映画の話ではなく、キャリートレードを扱った論文(ungated版)のタイトル。原題は「Carrie Carry」で、著者はRalph S.J. Koijen(ロンドンビジネススクール)、Tobias J. Moskowitz(シカゴ大)、Lasse Heje Pedersen(NYU)、Evert B. Vrugt(アムステルダム自由大学)。 以下はその要旨。 A security’s expected return can be decomposed into its “carry” and its expected price appreciation, where carry can be measured in advance without an asset pricing model. We find that carry predict

    キャリー - himaginary’s diary
    fugufugu
    fugufugu 2013/08/26
  • 行動ゲーム理論は構築可能か? - himaginary’s diary

    という論文にUDADISIがリンクしている。論文のタイトルは「Can We Build Behavioral Game Theory?」で、著者はGale M. Lucas(南カリフォルニア大学)、Mathew D. McCubbins(同)、Mark B. Turner(ケースウェスタンリザーブ大学)。 以下はその要旨。 The way economists and other social scientists model how people make interdependent decisions is through the theory of games. Psychologists and behavioral economists, however, have established many deviations from the predictions of game

    行動ゲーム理論は構築可能か? - himaginary’s diary
    fugufugu
    fugufugu 2013/06/17
  • ドラギが明らかにした欧州危機の主因 - himaginary’s diary

    Social Europe Journalという電子ジャーナルで、アンドリュー・ワット(Andrew Watt)*1が3/14のEUサミットにおけるドラギ講演の問題点を指摘している(H/T Economist's View)。 それによると、ドラギはグラフを用いて以下の点を示したという: 経常黒字国(オーストリア、ベルギー、ドイツ、ルクセンブルグ、オランダ)における生産性の伸び率は経常赤字国(フランス、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペイン)よりも高い。 しかし、賃金の上昇率は後者の方が大きい。 構造改革と賃金の抑制は成功をもたらす。硬直化した構造と貪欲な労働組合は失敗をもたらす。 フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングによると、この講演を聞いていたオランド仏大統領は、財政緊縮策に反対し成長刺激策を求めていたにも関わらず、欧州(ないしその一部の国)の問題点を示す明白

    ドラギが明らかにした欧州危機の主因 - himaginary’s diary
    fugufugu
    fugufugu 2013/03/28
  • キプロス異聞 - himaginary’s diary

    キプロス政府がユーロ圏から100億ユーロの金融支援を受ける代わりに、銀行預金を封鎖してそれに課税し、GDPの1/3に相当する58億ユーロを捻出する、というベイルアウトならぬベイルイン政策を打ち出したが、ブロゴスフィアの反応は概ね否定的と言える。The Macro Manはまったくもって馬鹿げた愚かな考え(utterly idiotic, stupid idea)と腐し、エド・ハリソン(Naked Capitalismにクロスポスト)は他の周縁国の預金者への悪影響(very negative implications for bank depositor confidence in other European periphery countries)を憂慮し、Nick Roweは自国通貨を持つ国が課すインフレ税と違って現金には掛からずに銀行預金だけに掛かる税金は銀行への取り付け騒ぎを招く恐

    キプロス異聞 - himaginary’s diary
    fugufugu
    fugufugu 2013/03/18
  • HSBCの円相場予想 - himaginary’s diary

    HSBCのDavid Bloomチームの来年末までの円相場予想をFT Alphavilleが紹介している。 円相場の推移を考えるに際しHSBCチームは、アベノミクスを約束、行動、結果の3つの局面(フェーズ)に分け、さらにその中で4つの分岐点を考えている。 約束局面 既に終了 行動局面 分岐点1:日銀の新執行部は積極的な金融緩和派となるか? 分岐点2:日銀は速やかに抜的な緩和政策を実施するか? 分岐点3:自民党は参院選に勝利するか? 結果局面 分岐点4:日銀は2%のインフレ目標を達成し、実質成長をもたらすか? その上で、円相場の推移を以下のような樹形図で表わしている。 赤矢印が彼らの予想であるが、日銀の新執行部は積極的な金融緩和派となるものの、抜的な緩和政策の実施には至らず、2%のインフレ目標の達成もならず、参院選の結果如何に関わらず2014年末には円相場は1ドル=80円に戻る、というの

    HSBCの円相場予想 - himaginary’s diary
    fugufugu
    fugufugu 2013/03/04
  • 最低賃金引き上げが失業につながらない7つの理由 - himaginary’s diary

    引き続き最低賃金に関するエントリ。 John Schmittの最低賃金に関するサーベイ論文をWonkblogが要約し、最低賃金が雇用にあまり影響をもたらさない理由の候補を7つ挙げている(H/T Rortybomb): 雇用者は、最低賃金引き上げに対応して労働者を減らす代わりに、医療補助や労働時間や訓練を削減することができる ただし、その点を明確に示した実証研究は存在しない。 雇用者は、高賃金労働者の賃金をカットすることによって最低賃金引き上げに対応できる ある論文によると、最低賃金引き上げに直面した雇用者の半数は、熟練労働者の昇給やボーナスを遅らせたり減らしたりしたという。 低賃金労働者の方が消費性向が高ければ、GDPを押し上げる可能性もある*1。 企業は商品の価格引き上げでコストを転嫁できる あるサーベイ論文によると、10%の最低賃金引き上げは4%の値上げにつながる。 企業は利益の減少を

    最低賃金引き上げが失業につながらない7つの理由 - himaginary’s diary
    fugufugu
    fugufugu 2013/02/21
  • 格差拡大は経済成長の減速要因か? - himaginary’s diary

    というスティグリッツとクルーグマン(追加エントリ)の間で軽く論争になったテーマについて、スティーブ・ワルドマンが考察している。 彼はまず、格差拡大が無条件に過少消費につながることは無い、として、その点ではクルーグマンを支持している。 と同時に、富裕層は確かに貯蓄率が高い、ということを示した研究を幾つか挙げ、その点ではクルーグマンはきちんと文献を渉猟していない、と(暗に)批判している。 では、なぜ大平穏期には、格差拡大が続く一方で富裕層が貯蓄を拡大したにも関わらず、需要は強いままだったのだろうか? ワルドマンはその答えを、一般家計の借り入れ拡大に求める。そしてそれを可能ならしめたのは、実質金利の低下傾向にあった、と言う。その上で、そうした実質金利の低下傾向は、需要維持のために中央銀行によってもたらされた、とワルドマンは説明する。他の説明――例えば、技術や人口動態によって実質金利低下がもたらさ

    格差拡大は経済成長の減速要因か? - himaginary’s diary
    fugufugu
    fugufugu 2013/01/28
  • 政府債務は将来世代の負担になるか? - himaginary’s diary

    という議論が暫しブロゴスフィアを賑わせていたが、その議論の主役となったのはWCIブログのNick Roweである。といっても彼が何か目新しい主張を持ち出したわけではなく、ここで紹介したOLGモデルによる主張を繰り返しただけである。 このRoweのOLGモデルは、むしろ我々日人に取って分かりやすいかもしれない。というのは、期せずして彼のモデルは、今日の日で問題となっている年金債務を抱えた企業の良い描写になっているからである。 即ち、彼のモデルをそうした企業の年金に喩えて描写すると以下のようになる: 増益が期待できない企業が、予定利率(5.5%など)が約束されている確定給付年金の年金債務を抱えている。 ある時点で、その年金の運用利回りがゼロ%に落ち込み、予定利率が達成できなくなる。だが確定給付年金である以上、引退世代に予定した利率の年金を支給しなければならない。利益が増えない中でそうした年

    政府債務は将来世代の負担になるか? - himaginary’s diary
    fugufugu
    fugufugu 2012/10/18
  • 国家が失敗する十通りの方法 - himaginary’s diary

    についてダロン・アセモグルとジェームズ・ロビンソン*1がForeign Policyに書いている(Mostly Economics経由)。 以下がその十通りの失敗例。 北朝鮮 財産権の欠如 ウズベキスタン 強制労働 学童が主要な輸出産品である綿花摘み取りに駆り立てられる。 (アパルトヘイト時代の)南アフリカ 機会不平等 エジプト 強欲な権力者 (19世紀の)オーストリアとロシア エリートが新技術を阻んだ ソマリア 法と秩序の不在 コロンビア 弱体な中央政府 ソマリアほどではないとは言え、国土の半分に中央政府の支配が及んでいない。その結果、財政権制度がまともに機能していない。 ペルー 劣悪な公共サービス インフラ未整備のせいで、アコマヨ地域の所得はカルカ地域の2/3に留まる。 ボリビア 政治的収奪 権力が入れ替わっても状況変わらず=寡頭制の鉄則 シエラレオネ 権益の奪い合い 寡頭制の鉄則は、

    国家が失敗する十通りの方法 - himaginary’s diary
    fugufugu
    fugufugu 2012/06/25
  • 消えた女性たち - himaginary’s diary

    雛祭りの日の相応しい話題では無いような気もするが、アジアにおいて来あるべき男女比に鑑みて女性が少なすぎる、というアマルティア・センが提起したMissing woman問題に関して新たな視点を提供する論文をタイラー・コーエンが紹介している。論文の著者はSiwan AndersonとDebraj Rayで、既に2年前にReview of Economic Studiesに掲載されたものとの由。 この研究の一つの特徴は、男女比の不均衡が出生時の間引きだけに起因しているのではなく、成長後に罹患した病気の手当てが不十分であることも要因となっていることを明らかにした点にある。また、中国とインドとサハラ以南のアフリカという3地域を対象に研究を行っており、対象をアジアに限定していないことも特徴となっている。 以下は推計された「消えた女性たち」の年齢別分布のグラフであるが、出生時以外にもこぶが見られ、

    消えた女性たち - himaginary’s diary
    fugufugu
    fugufugu 2012/03/05
  • 1