JR神戸駅(神戸市中央区)の貴賓室が、飲食店の客席に姿を変えた。新幹線の開業によって皇族らのアクセスが新神戸駅(同区)に移り、機能を失ってからも保存されてきたが、有効活用する方向に転換。在りし日の面影を残す一方、貴賓室としての130年近い歴史に幕を下ろした。(小川 晶) 神戸駅は、大阪-神戸間の開通に合わせて1874(明治7)年に開業。貴賓室は、89(同22)年完成の2代目駅舎で食堂などとともに設けられた。 高架工事に伴う1930年代前半の改装で、構内北側に移転。47~68年に昭和天皇が2回、皇太子時代の今上天皇が1回、立ち寄られた記録がある。 72年の山陽新幹線新大阪-岡山間の開業で新神戸駅が兵庫訪問の玄関口になると、神戸駅の貴賓室は駅長室に用途を変えた。97年に貴賓室を含むスペースに商業施設が開業してからも、「駅の歴史を伝えるもの」として食堂「みかど」の一角にガラス壁で囲って保存された
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