播磨中央公園(兵庫県加東市下滝野)から静岡県のローカル鉄道「大井川鉄道」へ移設される蒸気機関車(SL)の積み込み作業が10日、行われた。市民らが見守る中、新天地に向け、慎重にトレーラーに載せられた。 SLはC56形機関車で1938年に製造された。運行終了後の75年、旧滝野町が国鉄から借り受け、その後、同公園に展示された。 昨年、車両を管理する加東市は老朽化などの理由で撤去する方針を打ち出していたが、経緯を新聞報道などで知った大井川鉄道から譲渡の申し入れがあった。同社は営業運転できるSL4台を保有する。 市はJR西日本や大井川鉄道、県と協議を重ねて移設費用などについて調整し、譲渡が決定した。この日の搬出作業を見守った大井川鉄道の担当者は「昭和の鉄道文化を次代へつなげたい。運行できる状態を目指す」と語った。 SLのそばを散歩してきたという西脇市の30代女性は「中学時代に遠足でも来た思い出の地。