最近の米中の貿易不均衡や為替相場を巡り議論を見ていると、まるで1980年代の日米関係の再演のような気がします。ただ、決定的に違っていることが1つあります。日本は経済成長の過程で外資の直接投資を抑制してきましたが、中国は外資の直接投資を積極的に利用することで経済成長を実現してきました。したがって、70年代、80年代の日米関係と比べると米中の経済的依存関係ははるかに深いということです。アメリカは一方的に日本に圧力を加えました。そうした強硬策によって、アメリカが返り血を浴びる可能性は小さかったからです。しかし、現在の米中関係を見ると、多くの米系企業がアウトソーシングのために中国で生産を行い、それをアメリカに輸出しています。そうした構造を考えると、アメリカは一方的に中国に対して課徴金を課したり、大幅な元高を要求しにくい立場にあります。そのロジックは、本稿の中で説明しておきました。最近、議会の証言で