小泉内閣の終焉とともに国会議員の職を自ら辞して野に下った竹中平蔵氏──。日本経済を復活させた男は、自身の功績を語ることを潔しとせず、あえて日本の将来に苦言を呈した。貪欲なまでに「成長」を追い続けること。その気迫と覚悟を失った瞬間に、日本は没落への坂道を転がり始めると警鐘を鳴らす。2007年、日本はその岐路に立つことになると予言する。(聞き手は、日経ビジネスオンライン編集長=川嶋 諭、同副編集長=水野 博泰) NBO 2006年末に『構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌』(日本経済新聞社)という本を出版されましたね。小泉改革の神髄がよく伝わってきた半面、後を継いだ安倍体制でちゃんと改革が進むのかなと心配になりました。 竹中 議員辞職してからものすごい勢いで書きました。全部自分で打ち込んだんですよ(笑)。 改革を続けるということはすごく大変なことです。改革によって一部の人たちは大きな利益を失います