10月半ばに鉱業コングロマリット(複合企業)のBHPビリトンが、ユナイテッド・ミネラルズ――オーストラリアのピルバラ地区にあるBHPの鉄鉱石鉱山付近で事業を展開する有望企業――に提示した買収提案には、ある注目すべき付帯条件が含まれていた。 ユナイテッドは、同社株の11%を中国国営企業の中国鉄道物資に売却する計画を放棄しなければならない、というものだ。 もしユナイテッドの株主が同社経営陣が推薦した通りに、BHPが提示する2億400万豪ドル(1億8700万米ドル)の申し出を受諾すれば、鉄鉱石市場で影響力を強めようとする中国政府の熱心な作戦――ただし、これまで概して成果を上げていない取り組み――がまた1つ失敗に終わることになる。 西側の巨大鉱業企業が扱う鉱物、中でも特に鉄鉱石は、中国を大きく変化させる莫大なインフラ計画にとって必要不可欠な材料である。中国政府はこの依存状態に神経を尖らせており、特
死んだヤマもよみがえる神戸製鋼の省エネ製鉄法、資源活用の未来図を塗り替える!?(1) - 09/10/22 | 14:20 米国ミネソタ州・ホイットレイクス。カナダとの国境に近いかつての鉱山の町から、針葉樹林帯をさらに郊外へと進む。灰褐色の荒野の真ん中にこつ然と姿を現すのは、厳寒の地でひときわ目を引く朱色の工場群。神戸製鋼所と米国の鉄鋼メーカー、スチール・ダイナミックスとの合弁会社「メサビナゲット・デラウェア」(以下、MND)だ。11月中旬の稼働開始を控え、いま試運転が最終段階を迎えている。 実はこの工場、これまでの製鉄のあり方を一変させるパワーを秘めた、注目の工場なのだ。 製造時間は50分の1! 「鉄鋼の常識を超越」 MNDで生産するのは、さまざまな成分調整を施して鉄鋼製品に加工する前の段階の半製品、アイアンナゲットである。含有する鉄分は96〜97%で、高炉(溶鉱炉)で作られる銑鉄
Rio cuts prices but China demands bigger discount (リオ・ティント、値下げするも、中国が更なる値下げを要求) By Louise Armitstead Telegraph:26 May 2009Rio Tinto has agreed to cut by a third the price of iron ore it will supply to Japan over the next year, confirming fears that there are few signs of recovery in the embattled commodities market. リオ・ティントは来年日本に供給する鉄鉱石の価格を1/3値下げすることに合意し、難問を抱える商品市場に回復の兆しは殆どないとの懸念を認めた。 The price se
2008年12月17日(水) [ The Economist ] 資源・素材大手:ジェットコースターで急降下 [The Economist] 鉄鋼やセメント、鉱業など、市況業種である資源・素材大手6社が過剰債務と戦っている。 …続きを読む
鉄鋼業界を震え上がらせた資源メジャーの合併構想が頓挫した。 さる11月25日、豪英系資源大手のBHPビリトンは、同業のリオ・ティント買収を断念すると発表。買収計画が表面化したのは昨年11月で、中国の需要増で空前の資源ブームに沸く中、BHPはリオを取り込み鉄鉱石や原料炭の生産能力拡大を狙った。両社が統合すれば、鉄鉱石の海上輸送量で4割弱を握り、ブラジルのヴァーレと2社で約8割という寡占状態になる。日本鉄鋼連盟の馬田一会長(当時)は「公正に価格形成されないおそれがある」と危機感を募らせていた。 結局、世界経済の失速で鉄鋼需要も急速に減退。牽引役だった中国でも、10月の鋼材生産は前年同期比12・4%減で、3カ月連続の前年割れとなった。鉄鉱石もダブつき始め、スポット価格は今年2月のピーク時(約200ドル)から10月末時点で65%も下落している。価格維持のため、リオは鉄鉱石の1割減産を表明した。
(英エコノミスト誌 2008年11月1日号) 鉱業ビジネスの巨富は、かつてない速さで去来する。 億万長者になりたい人はいるだろうか? 1990年代のドットコム企業の実業家は数年間のうちに、のし上がり、没落していった。これに対して最近のコモディティーブームは、ほんの数カ月間で人を大富豪にした。 しかし、その富が消えるのも早かった。アンドリュー・フォレスト氏ほどいい例はない。2002年にニッケル開発に失敗し、大勢のオーストラリア人投資家の怒りを買ったが、見事復活を果たした人物である。 フォレスト氏は、小額の資金を投じたオーストラリア・ピルバラ地区の鉄鉱石開発に成功し、2003年、新会社フォーテスキュー・メタル・グループ(FMG)を立ち上げた。ピルバラ地区は地質が複雑で鉄鉱石の質が比較的低いことから、開発コストが高すぎるとして、既に大手開発会社が手を引いた土地だった。 2008年初頭、
新日本製鉄(以下,新日鉄)は同社の君津製鉄所(千葉県君津市)で,鉄ダスト系副産物をリサイクルする回転炉床式還元炉(Rotary Hearth Furnace 以下,RHF)の本格稼働を開始した(図)。このRHFは,31万t/年と「世界最大」(同社)の処理能力を持つ。これにより,鉄ダスト系副産物に含まれる鉄分や炭素分,亜鉛分のほぼ全量を有効活用できるという。 RHFは,製鉄工程で発生する酸化鉄や亜鉛を含む鉄ダスト系副産物をドーナツ型の回転炉床に敷き詰めて高温で還元し,還元鉄を製造。同時に,亜鉛などの金属類を分離・回収する設備だ(Tech-On!関連記事)。RHFで還元処理した還元鉄を製鉄プロセスに,亜鉛を非鉄プロセスに戻すことで,ゼロ・エミッションを実現する。鉄鉱石,亜鉛鉱石,還元用の石炭やコークスなどのバージン資源も節約できる。 同社は既に,君津製鉄所と広畑製鉄所(兵庫県姫路市)でそれぞれ
BHPビリトン炭鉱の露天掘り現場。世界的な石炭需要の高まりに供給が追いつかない状況にある(豪クイーンズランド州) 国内鉄鋼大手と海外資源メジャーによる平成20年度の鉄鋼原料価格交渉は、史上最高値の水準で合意した。鉄鋼業界全体のコスト増は3兆円を上回り、大幅な値上げは避けられない情勢だ。これに伴い、鋼板の大口ユーザーである自動車や家電メーカーも値上げを余儀なくされる可能性が出ている。国内鉄鋼業界は34年ぶりに生産量記録を更新したが、この需要増を導いた新興国の成長が世界的な資源争奪戦を招いている。(経済本部 滝川麻衣子) 日本が輸入する鉄鋼原料の価格交渉をめぐっては、鉄鉱石が資源メジャー、ブラジルのヴァーレ(旧リオドセ)と1トン当たり前年度比65%増の80ドルで決まったほか、石炭は英豪BHPビリトンと同3倍となる1トン当たり300ドルで妥結した。この大幅値上げによる鉄鋼業界のコスト増は過去5年
先日,ハイテン(高張力鋼)の鋼板を使うことで,ドラム缶を薄肉化して軽くしたという発表があった。開発したのは,ドラム缶や圧力容器を手掛けるJFEコンテイナーと,JFEスチールである(PDF形式のニュースリリース)。 製品名は「エコフェザー」という。これまで日本国内のドラム缶では1.2mm厚の鋼板を使っていた。これをハイテンの採用で1.0mm以下とし,重さは22kgと従来に比べて2kg減らした。今回使ったのは,390MPa級(40kgf/mm2級)の鋼板(ハイテンの定義はさまざまだが一般的には340MPa以上だとハイテンと呼ばれることが多い)。JFEコンテイナーによると,窒素(N)の添加などを行っていて,ハイテンながらもドラム缶の胴に凹凸を付けるといった加工はSPCC(通常の冷間圧延鋼板)並みに容易で,ドラム缶の形にした後で200℃弱で焼き付け塗装をする工程で強度が増すようになっているという。
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