「リーダーの育成に尽力しなければ、次代には日本の国際競争力は地に落ちる」――。40を超える企業の再生から見えた日本の景色と将来像を、元・産業再生機構代表取締役専務で、現在は経営共創基盤代表取締役CEOを務める冨山和彦氏が語った。SILC 2007 autumn初日の基調講演「再生の修羅場から見えてくる日本の課題」より詳報する(文中敬称略)。 企業破綻の病因は「経営」に帰着する 産業再生機構では、カネボウ、ダイエーのような大企業から地方の中小企業まで、40を超える企業の再生に携わりました。そこは決してきれいごとでは済まされぬ修羅場でした。切なく悲しい物語も目の当たりにしました。企業を倒壊する原因の多くは人間の「業」に起因するものです。つまり、全ては誰の身にも起こりうる物語なのです。人間は成功よりも失敗から学ぶものが多い。だから今日は、再生の現場から私が学び取ったものを少しでもお届けできればと