今回はフィンランドを舞台にした片桐はいりさんの処女作『私のマトカ』(2006年/幻冬舎)をチョイスしました。読書を通じて旅するメリットは、自分が行けない場所へも気軽に飛べる点。 寒さに弱く、まだ一度も北欧へ足を踏み入れたことのない私は、はいりさんの文章を通してフィンランドを疑似体験してみたいと思います。 予備知識なしでフィンランドへ 2005年8~9月、映画『かもめ食堂』の撮影でフィンランドに赴いた片桐はいりさん。普段は旅行前にみっちり下調べするという彼女が、この時は予備知識ゼロで現地へ乗り込みます。 ヘルシンキ行きのフィンエアーで提供されたプッラ(シナモンロール)にのっけから感動。それを見たCAさんが、今度はサルミアッキを持ってきます。 他国から世界1まずい飴と不名誉な称号が与えられているこのフィンランド名物と初対面にしたはいりさんは、「想像を絶していた。(中略)あまりのことに、口に入れ
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