日本の書店で目にするほとんどのトマトソースのレシピでは、玉ねぎをスライスもしくはみじん切りにしてオリーブオイルでじっくりと炒めることから始まっている。 これがまた面倒で仕方がないのであるが、イタリアの一般家庭ではトマトソースを作るときにタマネギは炒めない、なんて事実を知ると、巷に出回っているレシピ本はいったい何なんだという疑惑を抱いてしまう。 じゃあどうするのかというと、鍋に材料ぶっこんで煮込むだけなのである。 実に大胆でシンプルで、日本料理のような繊細さのかけらもない、イタリアらしい手法じゃないか。 「そんなんで本当に美味しいの?」 と思うのも当然だが、これが実にあっさりとしていて旨い。 なるほど、イタリア人が毎日でもトマトソースを食べれるのがよく分かる。