昨年は論文の書き方(→論文の道具箱)や小説の書き方(→創作の道具箱)を取り上げたが、今日は両者を包含する話題を取り上げてみたい。 日本語の文は4つの層からなる あのー、どうやら今雪が降っているみたいですね という文は、次のような4層(レイヤー)が重なったものである※。 ○命題の層(レイヤー)……「雪が降っ」(雪が降る) 文の内容の核になる部分。 ここでは〈雪が降る〉という事態を示している。 ○現象の層(レイヤー)……「今___ている」 命題として表された事態の現れ方を示す部分で、命題の層を包むようにその外側に現れる。 事態が、時間的/空間的にどう現れるかを示したり、また肯定/否定的にどう現れるか(命題の事態が存在・現象するのか、しないのか)を示す層である。 つまり言葉と言語外の現実とが、どのような関係にあるかを示す層であるといえる。 ここでは命題として捉えられた事態(雪が降る)が、時間的に
![会話、論文、小説の言葉はどう違うか?日本語の文は4つのレイヤーからできている 読書猿Classic: between / beyond readers](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/52a1a6419ff163a86ac3ec4ff94fe0c61be543ee/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fblog-imgs-59.fc2.com%2Fr%2Fe%2Fa%2Freadingmonkey%2F4layer1.png)