エビ好きの国民として知られ、年間に1人3キロ半も食べ、海外各地で養殖させて大量輸入を欲しいままにしてきた日本だが、これからはそうはいかなくなるかもしれない。「エビの相場」によると、冷凍エビの国際市況が強含みで推移し、輸入の主力、インド産のブラックタイガーは10月には安値だった8月より3割も上昇した。不景気で消費意欲のぱっとしない国内に引き換え、経済発展の著しい中国や、好況で懐具合の良い米国からの買いが入っているという。一方で、排他的200カイリ専管水域の設定などを柱にした国連海洋条約が発効して、世界全体で水産資源の獲り放題が許されなくなった。海洋の汚染や天然資源の枯渇もあって、10年余りのうちに世界で出回る魚の40%は養殖魚になるとの予測さえある。 ◆我々はどんなエビを食べているのか 物価の優等生と言われるものに、卵と並んでエビがある。「海老よもやま話」が、それを支えた過去20年余りの海外