本書の特徴で,私が気がついたのは以下のとおり。 ・シカ肉の食材利用の為の下処理,解体方法について解説してある。 ・食材利用については,よく見る田舎料理的なものではなく,本格的フランス料理レシピとかなり厳選された家庭料理の両方を載せてあって,更に脳食のための脳の取り出しなどにも言及してある。 ・本当に金を払って涙ながして食べたくなるための下ごしらえの重要性について,きちんと述べられている。 ・販路や,多くの自治体で経済的な部分で失敗している処理施設,販路,更に,人的ネットワーク等の組み立て方にも言及している。 おそらくページ数において150pあたりの厚み以下に仕上げるという暗黙の了解があるこのシリーズにおいては,よくぞこれだけ詰め込んだなという本。 シカにおいても大量の有害鳥獣捕獲がなされているが,その環境資源としてのきちんとした利用はなかなか簡単ではない。各自治体が真面目に作った食肉利用の