ながしま・ゆう●1972年埼玉県生まれ。東洋大学2部文学部国文学科卒業。会社勤務を経て『サイドカーに犬』で第92回文學界新人賞を受賞。同作は第125回芥川賞の候補にもなった。2001年11月に『文學界』に発表した『猛スピードで母は』で第126回芥川賞を受賞した。俳人・長嶋肩甲としても作品を発表、俳句同人集団『恒信風』に所属している。 長嶋肩甲のページ http://www.ne.jp/asahi/nagashima/kenko/ 『猛スピードで母は』 文藝春秋 1238円 離婚した母と北海道M市に暮らす小学5年生の慎。車好きでタイヤ交換はおてのもの、クラスの女の子からも「かっこいいね」と言われる母を、彼は自慢に思っていた。二人で出かけた冬のある日、母は「私、結婚するかもしれないから」と慎に告げる――。子どもの視点から、明るく気ままに、そして逞しく生きる母を活写した中編。母が家出したあとにや