1970年代以降、宇宙探査機は太陽系のさまざまな音をとらえてきた。 宇宙空間に音はないと勘違いしがちだが、そんなことはない。宇宙に存在する電磁波を受信し、スピーカーにつなぐと、さまざまな音が聞こえてくる 。それらの音は、iMovieのサウンドエフェクトのようにも聞こえるが、星雲を通過する探査機や木星の磁場の音だと想像すると、非常に興味深く、不気味でもある。 NASAはこれらの音を集めて、〈宇宙の不気味な音(Spooky Space Sounds)〉というハロウィン用のプレイリストを作成した。内容は、1970年代以降に打ち上げられた探査機がとらえた、衝撃波、轟音、電磁波などの音で、時折、NASA職員の穏やかな声も混ざっている。迫力に欠けるトラックも多いが、ここでは、面白い事実とともに、おすすめをいくつか紹介しよう。 https://w.soundcloud.com/player/?url=h
2017年9月15日、その役割を終えて土星の空に流れ星となって消える土星探査機カッシーニ。その功績を、カッシーニから届けられた美しい土星の写真と共にNASAで働く日本人技術者・小野雅裕さんが緊急解説! 来週9月15日、また一つの宇宙探査機が流れ星となって消える。ただし、地球ではなく土星の空に。 最期を迎えるのは土星探査機カッシーニだ。カッシーニは13年にわたって土星を周回しながら目覚ましい発見を続けてきたが、まもなく燃料が切れる。制御不能になる前に、探査機を土星大気に意図的に突入させ自己消滅させるのである。 この最後のミッションを、NASAは「グランド・フィナーレ」と呼んでいる。 カッシーニの輝かしい功績 カッシーニは、先輩探査機であるボイジャーが残した「宿題」を解くために打ち上げられた。1980年、81年に土星を通過した2機のボイジャーは数々の発見をしたが、多くの謎も残したまま、天王星、
星間空間に到達するボイジャー1号の想像図。ボイジャー1号は2012年に太陽系を離脱して星間空間に入り、翌年、公式に発表された。(ILLUSTRATION BY NASA, JPL-CALTECH) 地球の音や画像を収めたレコードを搭載したNASAの探査機、ボイジャー1号と2号が相次いで宇宙に旅立ってからちょうど40年。2機はこれまでに木星、土星、天王星、海王星の近くを猛スピードでかすめた後、今は太陽系の外縁辺りに達し、飛行を続けている。 だが、ボイジャーの物語はまだ始まったばかりだ。現在の軌道で行くと、2機は太陽の重力圏を離脱した後もずっと銀河系の旅を続ける。もしかしたら、4、50億年後に太陽が一生を終えた後も飛び続けているかもしれない。(参考記事:「銀河系の見えない光、ボイジャーが観測」) はるかな旅の途中で、もし探査機が宇宙人に捕獲されることがあれば、地球の情報を記録した2枚のゴールデ
今から約50年後、太陽系から遠く離れた場所にある惑星に(それはもうひとつの地球かもしれない)、地球人が造った切手サイズの探査機が訪れる――。 そんなSF小説のような夢を叶えるかもしれない人工衛星が、2017年6月23日に打ち上げられた。 質量が数百kgほどの小型衛星や、それより小さな数kgしかない超小型衛星でさえ、今ではもうすっかり珍しいものではなくなった。しかし、このとき打ち上げられた「スプライト」(Sprite)と名づけられたこの衛星は、3.5cm四方の正方形をしており、質量はわずか4gしかない、世界最小・最軽量の人工衛星である。 そして7月26日、スプライトと地球との通信に成功し、世界最小の衛星が宇宙できちんと機能することが実証された。 スプライトのような超々小型衛星は、今はまだ「いかに小さな衛星が造れるか」という技術的な挑戦という面が強い。しかしいずれは、数g単位の衛星ならではの利
米欧の無人探査機「カッシーニ」が9月15日にも土星の大気圏に突入し、20年間に及ぶ任務を終える。土星の衛星に生命を育む環境が存在する「証拠」を見つけたり、輪の成り立ちに光を当てたりと、数々の新発見を人類に届けてきた。20年の軌跡を振り返った。【阿部周一】 ●衛星に生命の環境 カッシーニは1997年10月、着陸機ホイヘンスを搭載して米フロリダ州から打ち上げられた。米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)が総額約3500億円を投じた巨大事業。動力源に放射性物質のプルトニウムを積んでいるため、地元では打ち上げの反対運動が起きる中での船出だった。 2004年に土星の軌道に到着し、05年には土星最大の衛星タイタン(直径約5150キロ)にホイヘンスを突入・着陸させた。氷点下180度の冷たいタイタン表面に液体のメタンやエタンの海があり、それが蒸発して雲を作り、雨となって川へ降り注ぐ--という地球
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